中期的見通しでチェックすべき二つのポイント

 そして、最後に中期的な株価水準についても、簡単に考えてみます。

図4 日経平均(週足)の動き(2022年7月8日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図4は日経平均の週足チャートです。このチャートを読み解く視点は主に二つあります。

 一つ目は、株価のトレンドです。2020年3月の「コロナ・ショック」で大きく急落した日経平均は同年3月19日週に1万6,358円で底を打ち、急上昇していく展開となりました。コロナ・ショック前にもみ合っていた2万4,000円台を前に足踏みする場面があったものの、2021年2月19日週の高値(3万714円)まで一気に駆け上がっていたことが分かります。

 その後は52週移動平均線をサポートにしつつ、同年9月17日週に再び3万円台超えを達成しましたが、52週移動平均線を下抜けてからは、今度は抵抗として機能する格好で株価が下落基調となり、結果として2度にわたる3万円台超えの場面が「ダブル・トップ」となりました。

 したがって、株価のトレンド的には52週移動平均線を上抜ける必要があります。

 二つ目は、株価の水準感です。先ほども触れた通り、コロナ・ショック後の日経平均は1万6,000円台から3万円台まで駆け上がりましたが、2021年2月19日週の3万円台乗せを境に、2,000円の値幅で一定期間のもみ合いを続けながら、株価水準を探ってきたことが分かります。

 最初は2万8,000~3万円の範囲内でのもみ合いが2022年1月まで47週間続き、その後は2万6,000~2万8,000円のもみ合いが現在まで続いています(先週末まで25週間)。また、もみ合いの水準が切り下がったところを見ると、先程の52週移動平均線が株価の抵抗として機能し始め、下放れしたタイミングと重なっています。

 足元は、このまま2万6,000~2万8,000円の範囲内での推移が続いた後、株価水準を切り上げていくのか、それとも一段階低い2万4,000~2万6,000円の範囲に切り下がっていくのかが注目されます。ポイントになるのは、株価が52週移動平均線をどの水準で上抜けることができるか、もしくは跳ね返されてしまうのかになります。

 したがって、今週は相場の新たな局面の到来を感じつつ、少し浮ついた値動きになりそうです。