2020年に成功したゼロコロナ政策が足かせに

 ウィズコロナで経済再開を進めるのが世界の潮流となる中、中国のゼロコロナ政策に基づく上海ロックダウンは異様に映ります。2020年に国家権力をもって強引にコロナを抑え込んだ成功体験から、離れられなくなっていると考えられます。

 2020年には中国・ベトナムなど東アジア・東南アジア諸国が、コロナ封じ込みに成功した優等生といわれました。欧米は感染の封じ込みに失敗したといわれました。

 ところが、2021年以降は、評価が逆転しました。より感染力が強い、重症化リスクの低い変異型が感染の中心になると、東アジア・東南アジアでも遅れて感染が拡大しました。感染封じ込めの優等生といわれていたアジアで感染拡大・都市封鎖が広がる中、先に感染が拡大した欧米ではワクチン普及とともに経済再開が進みました。

 そのもっとも極端な事例が中国です。2020年にコロナ封じ込めに成功して、経済が急回復しましたが、2021年以降、一転して都市封鎖による経済悪化が大きくなっています。