FRBはインフレ退治のためならハードランディングも辞さず
米国の政策金利はフェデラルファンズ・レートです。フェデラルファンズ・レートにはフェドファンズ先物が存在し、デリバティブ取引所CMEに上場されています。
フェドファンズ先物の取引実勢価格から逆算すると6月、7月の連邦公開市場委員会でそれぞれ0.50%の利上げが行われるという事が織り込まれています。
今回の利上げサイクルは今年3月から始まり、初回は0.25%、2回目は0.50%の利上げがありました。特に0.50%の利上げはマーケットにとってきつかったです。これまでにたった1回0.50%利上げしただけでこれだけマーケットが下がったわけだから、あと2回同じことを繰り返せば経済は壊れるリスクがあります。
連邦準備制度理事会が市場に配慮する、あるいは景気に配慮する態度をかたくなに見せない以上、(インフレ退治のためならハードランディングも辞さず)という決意を持っていることは明白です。
そうなのであれば我々はハードランディングを基本シナリオとして投資戦略を練り直す必要があります。
ハードランディングを前提とした投資戦略
ハードランディングなら石油株はダメです。だから石油株は徐々に処分してゆきたいと思います。タンカーやばら積み船などの株もダメです。これらも処分してゆきたいです。
ITセクターは数年に渡る大相場が終わったばかりなのでここが見直される可能性は低いです。まだ日柄調整が足りません。
食品などのディフェンシブ株は人件費の高騰によるマージン圧迫のリスクがあります。ここも買えません。
電力会社に代表される公益株も燃料コストの高騰でマージン圧迫の懸念があります。これも買えません。
そこで景気後退に強いディフェンシブな性格を持ちつつ、インフレの悪影響も受けないセクターとなるとバイオテクノロジーくらいしか残っていません。
既に新薬が承認されており、売上高も利益もちゃんと計上しているような実績あるバイオ株を買いたいと思います。具体的にはアムジェン(ティッカーシンボル:AMGN)、リジェネロン(ティッカーシンボル:REGN)、インサイト(ティッカーシンボル:INCY)、バイオマリン(ティッカーシンボル:BMRN)、ユナイテッド・セラピューティックス(ティッカーシンボル:UTHR)、アイアンウッド(ティッカーシンボル:IRWD)などです。