収益成長力が高いグロース株的な要素も併せ持つ高配当利回り銘柄に注目

 5月13日現在で、2022年3月期の決算発表は大方終了しました。期初の段階から、三井松島(1518)日東工業(6651)など配当利回り水準がサプライズにつながる銘柄も見受けられています。全般的に配当性向引き上げの動きも進んでおり、今後も業績の伸長に伴って、昨年の海運株のように利回り妙味が高まる銘柄が多く顕在化してくる可能性もあるでしょう。

 短期的にはグロース株が全体相場のリバウンドをけん引する可能性が高いでしょうが、世界的に利上げステージに入っていることからも、中期的には高配当利回りなどのバリュー株優位の状況に変化はないと考えられます。

 今回取り上げた銘柄は、配当利回りが高水準であるにもかかわらず、最近の利益成長ペースが高いグロースの要素も併せ持つ銘柄群となります。具体的には、配当利回りが3.5%以上の高水準であり、今期予想を含めた直近5年間の年平均営業利益成長率が10%以上のものとしています。

 商品市況の高騰などで利益水準が実態以上に押し上げられた資源株が多くなるため、今期増益予想の銘柄に絞っています。

株価指標がそろって割安な高配当利回り銘柄

コード 銘柄名 配当利回り 株価 時価総額 予想営業益 5年平均成長率
8584 ジャックス 5.11 3,330.0 1,168 290 18.0
4502 武田薬品 4.90 3,671.0 58,085 5,200 16.6
3132 マクニカ富士エレ 4.32 2,775.0 1,749 390 20.8
2427 アウトソーシング 3.85 1,169.0 1,472 320 23.0
6622 ダイヘン 3.80 3,950.0 1,071 165 10.4
注:配当利回りの単位は%、株価は2022年5月13日終値、単位は円。
時価総額の単位は億円、予想営業益の単位は億円、5年平均成長率の単位は%。
注:平均成長率は営業利益(今期予想含む)
注:配当利回りは会社計画がベース

銘柄選定の要件

  1. 予想配当利回りが3.5%以上(5月13日終値)
  2. 今期予想含めた5年間の平均営業増益率が10%以上
  3. 時価総額が1,000億円以上
  4. 今期営業増益予想