東証再編で「コーポレートガバナンス・コード」順守がさらに強まる
4月4日の東証再編で、東京証券取引所に上場する企業はプライム・スタンダード・グロースの3市場に分類されました。それぞれ上場基準が決められていて、プライムがもっとも厳しい基準となっています。
3市場とも上場基準にコーポレートガバナンス・コード【注2】の順守が含まれています。グロース上場企業には「ガバナンス・コード基本原則のみ」適用されるのに対し、スタンダード上場企業には「全原則」適用が求められます。さらに、プライム上場企業には、「(一段高い水準の内容を含む)全原則」の適用が求められます。
【注2】コーポレートガバナンス・コード
金融庁と東京証券取引所が共同で検討した内容に基づき、上場企業が順守すべき原則を定めたもの。上場企業は、それに従うか従わない場合はその理由を説明すること(Comply or Explain)が求められます。
株主平等の原則は、上記ガバナンス・コードの第1章「株主の権利・平等性の確保」に規定されており、「株主を保有株数に応じて平等に取り扱う」原則はその基本原則に定められています。つまり、グロース・スタンダート・プライムすべての上場企業に適用されます。
株主平等の原則は会社法上の規定なので、ガバナンス・コードで定められていなくても上場企業は当然守らなければならないことです。ただし、ガバナンス・コードで定め、さらに上場基準として明記されることによって、その順守がさらに強く求められることになると考えられます。それにより、今後、オリックスやJTのように「株主平等」の観点から株主優待を廃止する企業が増える可能性もあります。