株主総会で土産品を出す企業が減少

 上場企業の株主総会ではかつて来場した株主に感謝の気持ちをこめて「おみやげ品」を渡すのが慣例でした。株主総会が集中する6月には「おみやげ品」を目当てに株主総会をはしごする個人株主もいました。

 ところが、その慣例に異変が生じています。株主総会でのおみやげを廃止する企業が急増しています。「来場できる株主」だけにおみやげを渡すことが、「来場できない株主」を含めた株主平等の原則に反するとの疑義が出ているからです。

 それにコロナ禍が追い打ちをかけました。昨年6月の株主総会では、「密」を避けるために来場者数を絞る例が増えました。株主総会をオンライン配信に切り替える例も少数ですが出てきています。コロナ禍による環境変化に加え、株主平等原則への配慮も加わって、株主総会のおみやげ品は廃止が増えています。