世界経済と株式市場にどこまで影響するのか?

<直近3カ月のS&P500指数の推移>

出所:楽天証券ウェブサイトより

 4月の米国株式相場は、3月の上昇トレンドから一転、上げ下げを繰り返しながらも結果大きく下落し、月末終値は年初来の最安値水準に近づきました。

 従来から、決算発表シーズン最中の米国株式市場は、乱高下しやすい傾向にあります。加えてFRB(米連邦準備制度理事会)による積極的なQT(量的金融引き締め)への警戒感、中国のロックダウン都市拡大による景気減速や世界経済への影響懸念、ロシア・ウクライナ紛争継続を背景とした原油や天然ガスなど商品相場の再高騰なども、下落の要因だと考えられます。

 こうした中、米国企業の第1四半期決算発表前後において株価変動が激しかった銘柄を見ていきます。

 4月19日引け後に弱い決算を発表したネットフリックス(NFLX)は、ストリーミング会員数における予想外の減少が嫌気され、20日に35%安と暴落しました。

 4月27日引け後に強い決算を見せたメタ・プラットフォームズ(FB)は、第1四半期の利益が予想を上回ったことが好感され、28日に17.6%高と急伸しました。

 5月6日にポジティブな決算を発表したアンダー・アーマー(UAA)ですが、中国ロックダウンによるサプライチェーンへの影響が予想以上に大きく、23%安と暴落しました。

 今回の中国ロックダウンは、アウトドア用品や外食、物流サービスなどの売上減少にもつながると予想されます。来期の決算に注目していきたいと思います。