皆さま、こんにちは。
3年ぶりに外出制限なしのゴールデンウイーク、いかがお過ごしでしたか? 過ごしやすい天気に恵まれ、こどもたちの笑顔と元気な遊び姿をあちらこちらで見かけました!
コロナ対策をしながら、楽しく遊ぶことが大事ですね。
終わりが見えない中国のロックダウン、これからどうなる?
<直近3カ月の上海総合指数の推移>
既に1カ月以上にわたり続いている上海のロックダウン、食糧調達問題で市民からは苦情が続々。しかもロックダウン中にもかかわらず、感染拡大が収束する気配もありません。
4月7日~18日の12日間連続で、新規感染者数が毎日2万人を超え、そのうち無症状感染者は95%ほどを占めました。「PCR検査を受けるため、団地の住民が集まったことが逆に感染拡大につながったのでは」との意見も出ています。
「上海のロックダウンは5月末まで解除されないのでは」との報道を受け、上海総合指数は4月25日に大幅下落、3,000ポイントを割り込む場面もありましたが、月末には持ち直しました。
今回のロックダウンで一番影響されたセクターは、何といっても旅行や観光などのサービス業と、食品や衣料品などの消費セクターだと思われます。
上海浦西(プーシー)では、南京路(なんきんろ)や外灘(ガイタン)など、いつも多くの外国人観光客や地方からの観光客でにぎわっていました。上海浦東(プートン)では、金融街や自由貿易区などに海外の有名企業や投資家、ビジネスマンが集まっていました。
国際大都市で知られる上海に住む市民は、とにかく海外食品や衣料品ブランドに憧れます。今回のロックダウンでショッピングモールなどが一時閉店し、日本など海外からの輸入品にも大きく影響を与えています。
世界経済と株式市場にどこまで影響するのか?
<直近3カ月のS&P500指数の推移>
4月の米国株式相場は、3月の上昇トレンドから一転、上げ下げを繰り返しながらも結果大きく下落し、月末終値は年初来の最安値水準に近づきました。
従来から、決算発表シーズン最中の米国株式市場は、乱高下しやすい傾向にあります。加えてFRB(米連邦準備制度理事会)による積極的なQT(量的金融引き締め)への警戒感、中国のロックダウン都市拡大による景気減速や世界経済への影響懸念、ロシア・ウクライナ紛争継続を背景とした原油や天然ガスなど商品相場の再高騰なども、下落の要因だと考えられます。
こうした中、米国企業の第1四半期決算発表前後において株価変動が激しかった銘柄を見ていきます。
4月19日引け後に弱い決算を発表したネットフリックス(NFLX)は、ストリーミング会員数における予想外の減少が嫌気され、20日に35%安と暴落しました。
4月27日引け後に強い決算を見せたメタ・プラットフォームズ(FB)は、第1四半期の利益が予想を上回ったことが好感され、28日に17.6%高と急伸しました。
5月6日にポジティブな決算を発表したアンダー・アーマー(UAA)ですが、中国ロックダウンによるサプライチェーンへの影響が予想以上に大きく、23%安と暴落しました。
今回の中国ロックダウンは、アウトドア用品や外食、物流サービスなどの売上減少にもつながると予想されます。来期の決算に注目していきたいと思います。
2022年4月個人投資家に人気だった銘柄は!?
2022年4月 米国株式買付金額ランキング
順位 | ティッカー | 前月順位 | 銘柄名 | 関連するテーマ | |
---|---|---|---|---|---|
1 | SOXL | 2 | Direxion デイリー 半導体株 ブル 3倍 ETF | レバレッジETF、半導体 | |
2 | TSLA | 4 | テスラ | 電気自動車 | |
3 | SOXS | 9 | Direxion デイリー 半導体株 ベア 3倍 ETF | レバレッジETF、半導体 | |
4 | VTI | 3 | バンガード・トータル・ストック・マーケットETF | ETF、米国株式 | |
5 | NVDA | 7 | エヌビディア | 半導体関連 | |
6 | NAT | 544 | ノルディック・アメリカン・タンカーズ | タンカー会社 | |
7 | VOO | 5 | バンガード・S&P 500 ETF | ETF、S&P500 | |
8 | TECL | 6 | Direxion デイリー テクノロジー株 ブル 3倍 ETF | レバレッジETF、 テクノロジー | |
9 | CPE | 226 | キャロン・ペトロリアム | 石油・天然ガス | |
10 | SPXL | 8 | Direxion デイリー S&P 500 ブル3倍 ETF | レバレッジETF、S&P500 | |
※楽天証券内買付金額ベース。2022年4月1日~4月30日、国内約定日ベース。 |
楽天証券における4月の米国株式月間買付金額ランキングでトップとなったのは、Direxion デイリー 半導体株 ブル 3倍 ETF(SOXL)で、6カ月連続トップ5入りと取引が活発でした。日本の個人投資家が自由に取引できる米国上場レバレッジETF(上場投資信託)は、現在Direxion社の商品のみとなっていることもあり、TOP10には4銘柄もランクインしています。
高配当銘柄連動ETFや主要指数連動ETFをポートフォリオに取り入れるのは一般的とも言えそうですが、相場の乱高下が激しい場面であえてリスクを取り、レバレッジもので勝負するのも選択肢のひとつかもしれません。
6位にランクインしたノルディック・アメリカン・タンカーズ(NAT)は、原油タンカーを所有し世界中に輸送する海運大手で、大型船スエズマックスタンカーを20隻以上保有しています。コロナ禍による原油市況を背景に、2021年において原油タンカー運賃は過去最低水準に落ち込んでいました。
しかし、今年2月からのロシアによるウクライナ侵攻を受け、各国がロシアへの経済制裁を発表しています。今後もし原油も経済制裁対象に加われば、原油価格のさらなる高騰や原油輸入先の変更などで石油タンカー需要は旺盛になると予想されます。
2022年4月 中国株式買付金額ランキング
順位 | ティッカー | 前月順位 | 銘柄名 | 関連するテーマ | |
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1 | 3800 | 4 | 協キン科技控股(GCLテクノロジー) | 太陽電池原材料の世界大手 | |
2 | 9988 | 3 | 阿里巴巴集団控股(アリババ・グループ・ホールディング) | ネット通販最大手 | |
3 | 1490 | 8 | 車市科技(チューシー・テクノロジー) | 自動車広告サービス | |
4 | 1810 | 5 | 小米集団(シャオミ) | スマホ大手 | |
5 | 883 | 33 | 中国海洋石油(CNOOC) | 石油・ガス | |
6 | 2800 | 2 | Tracker FUND OF HONG KONG(トラッカー・ファンド・オブ・ホンコン) | ハンセン指数連動のETF | |
7 | 386 | 15 | 中国石油化工(シノペック) | 石油・ガス | |
8 | 2899 | 81 | 紫金鉱業集団(ズージン・マイニング) | 砿業 | |
9 | 700 | 1 | 騰訊控股(テンセント・ホールディングス) | インターネットサービス大手 | |
10 | 1772 | 27 | 江西カン鋒リ業(ジャンシー・ガンフォン・リチウム) | リチウム製品関連 | |
※楽天証券内買付金額ベース。2022年4月1日~4月30日、国内約定日ベース。 |
楽天証券における中国株式月間買付金額ランキングの4月トップとなったのは、GCLテクノロジー(3800)で、2カ月連続でTOP5入りを果たしました。蘇州や徐州に開発・生産拠点を置く企業で、太陽電池の原材料となる多結晶シリコンやウエハー生産の世界大手です。
2021年末のウエハー生産能力は50ギガワット、ロッドシリコンは4.5万トンに達し、太陽電池素材の価格上昇と市況改善を背景に、2021年12月本決算では売上高が前年比34.3%増の196億9,800万元、黒字転換を果たしました。
5位と7位にそれぞれランクインした中国海洋石油(883)と中国石油化工(386)はいずれも中国の石油大手ですが、前者は海底油田の探査・開発から原油および天然ガスの生産・販売まで手掛ける石油開発企業、後者は石油製品の生産・販売からパイプライン運営まで手掛ける石油元売り企業です。
2022年1-3月期の決算速報によると、中国海洋石油の売上高は前年同期比73.5%増の908億9,800万元、中国石油化工の売上高は同じく33.8%増の7,713億8,600万元、両社とも大幅増収となっています。
注目すべきセクターをピックアップ!
2月から始まったロシア・ウクライナ紛争による原油高騰、3月中旬に発生した福島県沖地震による停電と東京電力からの節電要請。これらの事象は、再びグリーンエネルギーの重要性を思い出させました。地球温暖化への対策として、すでに世界主要国はカーボンニュートラル(炭素中立)の目標を相次いで打ち出しています。
米国のバイデン政権は発足当初、「クリーンエネルギー革命」を掲げ、クリーンエネルギーとインフラへ2兆ドルを投じ、2035年までに二酸化炭素を排出しない電力業界を実現し、2050年までのネットゼロエミッション実現を長期目標としています。日本でも、菅前首相が「グリーン社会」を目指し、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする方針を示しました。
中国は2020年の国連総会で、2060年までの炭素中立目標を発表し、2035年までに新車販売の全てを環境対応車にするとしています。太陽光発電や風力発電に関しても近年、中国の存在感が飛躍的に高まっています。2020年の中国メーカーによる太陽光パネル製造は世界シェア約7割、太陽光発電の導入量でも日米を抜き世界1位となるなど、世界の市場をけん引しています。
私たちが生きていく中で必要になるエネルギー。この大きなテーマの中で、各国・地域や企業といった各軸で、どのような変動が生じていくのか。改めて注目が集まる契機を迎えているのかもしれません。
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