なぜグロース優位とバリュー優位は入れ替わるのか?

 オールド産業が低迷し、ニューエコノミーが成長する時、グロース相場になります。逆に、オールド産業が復活し、ニューエコノミーが停滞する時は、バリュー相場になります。

 2017~2020年は、グロース優位でした。それは、2017~2020年にかけて、世界的に低インフレ・低金利が広がったからです。金利も物価も下がって当たり前という感覚が広がりました。

 そうした環境下では、私が「3大バリュー株」と呼んでいる金融株・資源関連株・製造業株は、まったく人気がありませんでした。一方、ネット関連やバイオ産業が成長したので、グロース株は大きく上昇しました。2020年に起こったコロナ禍で、リモートワークやリモート会議が急に普及したことで、その傾向が加速しました。

 ところが2021年から、経済環境はがらりと変わりました。資源価格が急騰、世界中でインフレ不安が広がりました。米国の3月のインフレ率(CPI総合指数の前年比上昇率)は8.5%と40年ぶりの高いインフレとなりました。デフレ・低金利が当たり前だった世界は、強烈なインフレと金利上昇ショックに見舞われました。

 そうした中で、バリュー株が上昇しました。金利上昇を受けて金融株が、資源価格の上昇を受けて資源関連株が、物価上昇を受けて製造業の業績が、急速に上向きました。