※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
イオン 株主優待を楽しみながら長期保有するのに理想的と考える理由

 4月6日に以下のレポートをリリースしましたところ、読者の方から「優待なくなっちゃうの」と不安の声をいただきました。

 2022年4月6日「株主優待廃止が増える?東証再編で継続が難しくなる優待、3つのタイプとは」

 上記レポートで私は、「自社ビジネスと無関係の優待品で現金に近いもの、たとえばクオカードの贈呈などは株主平等の原則に反するとみなされ将来的に廃止される可能性もある」と書きました。

 ごく一部の優待が続けにくくなるだけで、大部分の優待、特に自社製品やサービスを提供する優待は、これからも末永く続くと考えています。したがって、個人投資家を優遇する優待制度をこれからも積極的に活用したら良いと思います。今日は、イオン(8267)が優待を楽しむ長期保有銘柄として理想的と判断する理由を解説します。

2月・8月優待人気トップのイオン、業績回復の遅れ嫌気で株価下落

 イオン(8267)(4月12日株価:2,499.5円)は「株主優待」人気銘柄として有名です。楽天証券「株主優待検索」で長年、2月・8月の優待銘柄で人気トップ【注】の座を維持しています。優待内容は、以下からご覧いただけます。
「イオンの株主優待内容:買物返金カード等」

【注】2月・8月優待で人気トップ
 2月・8月に株主優待を得る権利が確定する銘柄は171あります。楽天証券のお客様で保有している株主の数が多いほど「人気が高い」と判断し、保有株主数の上位銘柄をランキングしています。2月・8月優待とも、人気トップはイオン、第2位はビックカメラ(3048)、第3位は吉野家HD(9861)です(4月12日時点)。

 最初に、イオンの近年の株価の動きを振り返ります。イオンは2020年に大きく上昇しましたが、2021年以降、大きく下がりました。2022年に入ってから、少し底打ちしています。

イオン株価:2019年末~2022年4月12日

出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 2021年度の業績回復が鈍かったことを嫌気し、2021年のイオン株は大きく下落しました。ただし、2022年に入ってから少し底打ちしているところです。2022年度の業績見通しが発表され、営業利益で過去最高益が視野に入ってきたことが好感されていると思います。

 私は、イオンは総合小売業の勝ち組で、コロナが収束した後、国内外で最高益を更新していく企業とみています。したがって、今の株価が下がった今は買いの好機と判断しています。
上記の株価変動要因が一目で分かるのが、以下イオンの四半期別の営業利益推移です。