国内だけでは成長は頭打ちに、海外事業の利益拡大に期待

 国内で高い競争力を有する小売業に返り咲いたイオンですが、国内だけでビジネスをしていたら、いずれ頭打ちになります。人口が成長するアジアで、利益を拡大していかなければ、中長期の成長は見込めません。

 イオンは、ASEAN(東南アジア)、中国に進出し、アジアで収益を拡大しています。初期コストの回収も終え、海外事業が黒字化しつつあります。コロナの影響で足元、収益が悪化しましたが、コロナが収束すれば再び海外利益を成長させていくことができると考えています。それが、以下の所在地別営業利益で分かります。

イオンの2022年2月期所在地別営業利益

出所:同社決算説明資料より作成

 アセアン・中国その他を加えた海外事業の営業利益382億円で全体の約22%を占めます。将来的にはこの比率がさらに高まっていくと予想しています。

 海外でも、小売業ではあまり稼げていません。それが、事業別のセグメント情報で分かります。事業別セグメントの「国際」部門の営業利益は55億円(構成比3%)しかありません。これが海外小売業の利益です。それに、海外の金融・ディベロッパー事業の利益を加えたものが、上記の所在地別セグメント情報に示された、海外事業全体の営業利益です。