本格的な下落局面でやってはいけないこと(2)値ぼれ買い

 やってはいけないことの二つ目は「値ぼれ買い」です。

 例えば株価1万5,000円の株があり、さすがにその株価では高くて買えない…という状況だとします。

 その後株価が1万円まで下がりました。ここで「株価が3割以上下がった!!」と喜んで買うのが値ぼれ買いです。

 値ぼれ買いの怖いところは、株価が天井を付けた後の下落途中に買ってしまうことにあります。

 実は株価1万5,000円の株というのは、昨年9月にある銘柄がつけていた株価なのです。そしてこの銘柄の株価は、今は3,000円近くにまで下がってしまっています。半年でおよそ5分の1になってしまいました。

 この銘柄は成長株で、業績が毎年順調に伸びていたのですが、最近になり、業績の伸びに陰りが出てきたことが分かりました。

 でも、株価が1万円だったころ、個人投資家はその事実にまだ気付かなかったはずです。だから値ぼれ買いをした個人投資家も数多くいたことでしょう。

 そして今の株価は、1万円の3分の1にまで落ち込んでしまっています。適切なタイミングで損切りをしなかったら、多額の含み損で頭を抱えてしまうレベルです。

 値ぼれ買いは「安い!」と思って株を買う行為ですから、買ってからさらに株価が下がっても「さらに安い!」と思ってしまい、ちょうどよい時の損切り実行ができず、塩漬け株を誘発してしまうリスクが高いのです。

乗り切るポイントは

 これらを踏まえて、筆者が個人投資家の皆さんに対して本格的な下落局面を乗り切るためのポイントとしてお伝えしたいのは次の二つです。

  1. 下げ止まって上昇に転じるまで買わない
  2. 損切りを順守する

 本格的な下落局面で個人投資家が大きな損失を被るのは、株価が下がっている途中に「安くなった」と喜んで逆張りで値ぼれ買いをし、そのまま保有を続けた結果株価がさらに大きく下落して塩漬け株になってしまう、もしくは安値でパニック売りしてしまうからです。

 ですからこの状況を防ぐにはどうすればよいか、という視点から考えていけばよいのです。

 下げている間は売り圧力の方が買い圧力より強いわけですから、そこを逆張りで買い向かうのではなく、下げ止まって反発に転じた初期段階に順張りで買った方が安全です。

 そして、その反発がいわゆる「ダマシ」であり、さらに株価が下がってしまう可能性もありますから、それに備えて損切りのルールをしっかりと設定し、順守することが必要です。

「遠くの戦争は買い」という相場格言がありますが、それが100%当たるわけでもありません。やはり、株価の動きに逆らうのではなく、下落している間は守りに徹し、上昇に転じたら買ってみる、という方が、失敗を避けつつ反転上昇に乗ることができると思います。

 株価下落局面で大ダメージを食らってしまったら、その後の反発上昇局面に乗ることができません。まずは下落局面を小さい傷で乗り切ることを意識するようにしてくださいね。

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