コモディティ関連投信がベンチマークとする指数で、重要な商品は何?

答え:(原油を含む)エネルギー

 世界の商品市況全体の値動きを表す代表的な指数は幾つかありますが、その中身=構成比率は指数によって異なります。

 最大のポイントは、原油を含むエネルギーセクターの比率です。足元では、エネルギーセクターの比率が高い指数ほど原油価格上昇の恩恵を受けており、これが結果として高いリターンにつながっています。

「iシェアーズ コモディティインデックス・ファンド」がベンチマークに掲げるS&P GSCIトータルリターン指数は、エネルギーセクターの基本構成比率が約60%と、代表的な商品指数の中では最も高いという特徴があります。

 一方、「eMAXISプラス コモディティインデックス」がベンチマークに掲げるブルームバーグ商品指数トータルリターン指数のエネルギーセクターの比率は約36%と、S&P GSCIトータルリターン指数ほどは高くありません。

 ただし、エネルギーセクターの比率が高い指数と、それら指数への連動を目指す投資信託は、原油価格の影響を受けやすいため、コモディティ関連の投資信託の中でも基準価額の値動きが大きくなる傾向にあります。この点には注意した方がよいでしょう。

 なお、金(ゴールド)関連の投資信託は、一部を除き、金現物取引の世界指標である「LBMA金価格」が金価格のベンチマーク・参考指数に掲げられています。コモディティほど指数にバリエーションがないため、運用成績のばらつきは大きくありません。

 先述した通り、金(ゴールド)を含むコモディティ関連の投資信託は、あくまでも分散投資の1パーツであり、ポートフォリオの「脇役」的な存在です。

 単体で「主役」級の高いリターンを期待するのではなく、株式や債券といった伝統的資産の補完的な役割、そして、分散効果による運用効率の向上に期待し、取り入れるようにしましょう。