投資家は海外例を参考にしている公算

 WHO(世界保健機関)は早い段階でコロナ変異株オミクロン株について、重症化するリスクはデルタ株の場合に比べて低いとしています。

 昨年11月末に最初にオミクロン株感染が報告された南アフリカでは、同国政府が昨年12月30日の時点で、オミクロン株感染拡大のピークは過ぎたかもしれないとして、夜間外出禁止など行動制限を緩和しました。

 また欧米の多くの国では感染者数は横ばいか減少に転じており、感染拡大が北半球で最も早かったイギリスでは、ジョンソン首相が1月19日の英国会下院で「オミクロン株の感染ピークは過ぎた」として、「イングランドにおける法的な行動規制を順次、ほぼ撤廃する」と表明しています。

 オミクロン株感染者がゼロになったわけではなく、一部ではオミクロン株から派生した亜系統ウイルスの存在も指摘されていますが、社会活動は再開できるとの判断です。今のところ、目立って感染が再拡大しているわけではありません。

 この様子を見て、投資家は「日本でもオミクロン株感染はピークアウトから収束までが早い」と考えていると思われます。

 現状、このストーリーを多くの投資家が想定しているわけではないと思われますが、一部の資金は「経済活動早期再開」を見込み、業績が急回復すると思われる銘柄を買っているのでしょう。

 そのような背景で銘柄の動きを見ていくと、「一部外食株」の動きが気になります。外食セクターはコロナ禍の悪影響を受け続けている業界です。

 しかし、コロナ前の株価水準を超えて上昇している銘柄や、ここにきて株価がジリ高歩調となっている銘柄は、「経済活動早期再開ストーリー」を見込む投資家が先駆けて売買対象にしている銘柄かもしれません。

 ここでは「その動き」を反映しているかもしれない外食株を参考として取り上げます。

コード 銘柄名 株価(円)
7550 ゼンショーホールディングス 2,737
3543 コメダホールディングス 2,148
3097 物語コーポレーション 6,350
9873 日本KFCホールディングス 2,922
3563 FOOD&LIFE COMPANIES 3,605
※株価データは2022年2月9日終値ベース。

ゼンショーホールディングス(7550・東証1部)

 牛丼「すき家」や回転ずし「はま寿司」などを手掛ける外食最大手企業です。株価は2020年中にコロナ前水準を回復しました。

・2年週足チャート

赤:出来高移動平均(5日)
青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)

コメダホールディングス(3543・東証1部)

 朝食サービスなどに特長がある「コメダ珈琲店」を全国展開しています。店舗の約95%がフランチャイズ店で出店加速中です。株価はコロナ前水準を回復しつつあります。

・2年週足チャート

赤:出来高移動平均(5日)
青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)