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著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
日経平均を急落させた外国人投資家、ここからどう動く?

上がるも下がるも外国人次第の展開続く

 先週、日経平均株価は、外国人と見られる売りによって、安値をつけました。昨年来続いてきたボックス圏の下限(2万7,000円前後)を抜けて、一時2万6,044円まで売られました。ところが、その後、NYダウ(ダウ工業株30種平均)の反発に合わせて反発し、再び2万7,000円台に戻りました。上にも下にも外国人の思惑、売買次第で動いているように思われます。

NYダウと日経平均の推移:2020年末~2022年2月1日(NYダウは1月31日まで)

出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 過去30年、日本株を動かしているのは外国人でした。外国人が買い越した月は日経平均が上昇、売り越した月は日経平均が下落する傾向が、30年以上続いてきました。外国人は、買う時は上値を追って買い、売る時は下値を叩いて売る傾向があるので、短期的な日経平均の動きは、ほとんど外国人によって決まります。

 近年、日本銀行が巨額のETF(上場投資信託)買い付けを始めると、外国人売買の影響力がやや低下した時期がありました。外国人が買うと上がるのは変わりませんでしたが、外国人が売っても、日経平均があまり下がらないこともありました。日銀の買いが岩盤となって、下値を支えていたからです。ただし、その日銀の買いは、2021年の4月以降、大幅に減少しています。日銀の買いが減り、上がるも下がるも外国人次第の日本株に戻っています。