(ご質問2)特定口座と一般口座の違いを教えてください

 ここで、特定口座と一般口座の違いについて説明したいと思います。

 証券会社で口座を開く時、特になにも指定しないと一般口座のみが開設されます。一般口座は、株式の売却損益やそれに対する税金を自分自身で計算して、確定申告する必要があります。

 しかしこれだと大変なので、個人投資家の利便を図るため設けられているのが特定口座です。この特定口座にて取引した株式については、売却損益を証券会社が計算してくれるのでとても便利です。

 特定口座はさらに2種類に分かれます。「源泉徴収なし」と「源泉徴収あり」です。

 源泉徴収なしの特定口座は、売却損益を証券会社が計算してくれますが、その結果を用いて自分自身で確定申告をし、必要な納税をする必要があります。

 一方の源泉徴収ありの特定口座は、売却損益を証券会社が計算してくれるだけでなく、納税についても証券会社が行ってくれます。そのため、確定申告をする必要がないのです。

 なお、源泉徴収ありの特定口座であっても、上述のように配当金と売却損を損益通算したり、売却損を翌年以降に繰り越したり、前年以前から繰り越してきた損失と今年の利益を相殺するなどの理由で、確定申告した方が有利であれば確定申告しても構いません。

 このように、一般口座より特定口座の方が、証券会社が売却損益を計算してくれるので断然便利で、かつ特定口座のうち源泉徴収ありの方が、証券会社が納税までしてくれて確定申告が不要なのでさらに便利です。

 筆者は源泉徴収ありの特定口座を使っていますし、皆さんにもお勧めいたします。源泉徴収なしの特定口座の方が優位な点もありますが、それほど大きなメリットとも思えませんので、ここでは割愛いたします。

(ご質問3)一般口座を利用していますが昨年は株式の売却(譲渡)をしていません。確定申告は必要でしょうか?

 一般口座で売却益が生じた場合は確定申告が必要ですが、ご質問では売却をしていないとのことなので、確定申告は不要です。

 ただ、もし配当金を受け取っているのであれば、確定申告をした方が有利ならした方がよいですし、翌年以降に繰り越す損失があるのであれば、確定申告が必要となりますのでその点は注意してください。

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