(3)AI、ESGなど「テーマ型」の場合

 AI(人工知能)やESG(環境・社会・企業統治)など何らかの投資テーマを掲げて運用する「テーマ型」ファンドについては、少し注意が必要です。その業種全体が好況なときは一般的なアクティブファンドよりも大きなリターンを期待できますが、逆もまたしかり。近年人気の商品ですが、特定の市場や業種に集中投資するリスクを負っています。

 こうした特徴を考慮すると、テーマ型はあくまでもポートフォリオの一部(多くても30%程度)にとどめた上で、市場環境の移り変わりにもアンテナを張った方がよいでしょう。

(4)指数の数倍を目指す「レバレッジ型」の場合

 また、対象指数に対して数倍の値動きを目指す「レバレッジ型」ファンドについても、注意深く運用経過を見守る必要があります。

 レバレッジ型は、短い投資期間で高い投資効果を期待できる半面、相場が思わぬ方向に動いたときの損失が大きくなります。この「思わぬ方向」の中には、株価指数が上昇と下落を繰り返す、いわゆる「ボックス圏」の相場も含まれます。

 レバレッジ型は、ボックス圏相場だと「負の複利効果」が働いてしまい、基準価額が日々少しずつ下落してしまうのです。値動きの大きさを逆手に取って積み立てにするという選択肢もありますが、レバレッジ型自体は、株式市場が一方向に動かないとリターンが出にくいということを覚えておいてください。

※レバレッジ型ファンドについて詳しくは以下の記事をご参照

【図2】リスクの大小だけではなく、リスクの取り方にも注目する