今週の予想

今週も引き続き、落ち着きどころを探る展開か

 先週は、想定したように三角保ち合いの中で、直近の安値を切って落ち着きどころを探る展開となりましたが、今週も米国の金融政策で利上げの早期前倒しの観測が強まっており、米金融政策の今後の動向への警戒感が続き、さらに国内ではオミクロン株の感染拡大のスピードが増していることで下値を探る不安定な展開となりそうです。

 先週は目先の下値を切ることを想定し、週末に一時2万7,889円まで下げて終値は日本銀行の買い支えもあって2万8,124円で引けましたが、先週、米国と国内で相場を不安定にさせる発言などが飛び出したことで、下値模索が深まる可能性があります。

 米国では、13日(木)にブレイナード理事がFRB(米連邦準備制度理事会)副議長の指名公聴会で再び早期利上げに言及したことで不安が拡大して米株は急落し、14日の日本株も連動しました。

 国内では、岸田政権は分配重視の政権としてスタートから疑問視されていますが、それを深めるような発言「新しい資本主義」の政策を担当する山際大臣が13日に出演したテレビ番組の中で「新しい資本主義は株価を意識してやりません」と発言しました。この発言は「新しい資本主義」が少なくとも短期的にはマーケットの逆風になると印象づけられたとの見方が出ています。

 今後、米国株の上下動に応じた日本株の動きは、これまでと同じように想定されますが、不安要素を考えると物色の方向は、割高感がなく収益面でも期待値が高い銘柄(代表はトヨタ)などに資金が向かいやすいといえます。

 一般投資家は、まず相場の落ち着きどころを確認したあと動くのがよいということになります。相場のレンジの下ブレを想定すると2万7,500~2万8,500円となります。

 この水準でもみあったあと、1月の調整をはさんで2月にかけて切り返し4月まで上昇基調が続くことを想定しています。