マザーズ指数・成長株の急落で幕を開けた2022年

 皆さま、明けましておめでとうございます。2022年も個人投資家の皆さまへ有益かつ実践的な知識・情報の提供に努めてまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 さて、2022年の日本株は日経平均株価が大発会の1月4日に大きく上昇したものの、6日にはその上昇を帳消しにする下落になるなど、波乱に満ちたスタートとなりました。

 そして特筆すべきは中小型成長株が多いマザーズ銘柄の動きを示すマザーズ指数です。1月4日に日経平均株価が大幅高になったにもかかわらずマザーズ指数は5%の急落となりました。その後も下げは止まらず、4~7日の4日間だけで、10%を超える値下がりをしています。

 個別銘柄をみても、成長株のほとんどが下落していて、中には悲惨な下げとなっているものも目立ちます。

日経平均株価の日足チャート(2021年7月1日~2022年1月7日)

マザーズ指数の日足チャート(2021年7月1日~2022年1月7日)

 この理由として指摘されているのが、米国の利上げ観測に伴い、成長株から資金が流出し、割安株や景気敏感株に資金が移動しているという点です。

 実際、日経平均株価とマザーズ指数の動きを比べると、日経平均株価はほぼ横ばいに近い状況である一方、マザーズ指数は明確に値を切り下げています。特に11月以降の両者の差は広がる一方で、これは米国の早期利上げ観測が高まり始めた時期と一致します。

こんなときだからこそ株式投資の常識を疑え!

 なぜ利上げ観測が高まると成長株にマイナスか、という話は以前のコラムでご説明しました。簡単に申し上げると、利上げにより金利が上昇すると、インフレにより将来のお金の価値が低下するため、成長株が将来稼ぐと期待されている利益の価値も低下し、高いPER(株価収益率)が許容されなくなってしまうからです。

 ここ2カ月ほどの成長株の動きをみると、まさにそのマイナスの影響が株価にもろに現れていると感じます。

 筆者は基本的に成長株をメインに投資していますが、25日移動平均線を割り込んだものについては保有しないというルールを決めて運用しています。

 その結果、成長株が軒並み下落したことにより、保有していた成長株の大部分は売却し、現時点で保有継続している成長株はほとんどなくなっています。

 まさに筆者自身が、成長株の軟調な株価の動きを肌で感じているのです。

 ここで個人投資家の方にぜひ考えていただきたいのが、株式投資における常識を疑うことなのです。

「業績が好調で、将来も好業績が期待される銘柄の株価は上昇する」という常識です。