先週の結果

週前半2万9,388円まで上昇するも、米株急落を受け、一時2万8,293円まで下げる

 先週の株価の動きは、日経平均は2021年8月20日の2万6,954円を安値とし、9月14日の3万795円を高値とする三角保ち合いを形成。この中で2万8,000~2万9,000円のレンジの中で、2万9,000円水準を上値にもみあい、上放れのタイミングをみはからっているところとしました。

 2021年12月28日の2万9,121円を突破して、11月4日の2万9,880円を超せば3万円台回復も期待できるとしました。

 そのためには、米国株式の上昇が継続することが前提でしたが、1月5日(水)のFOMC議事録公開で、これまでよりも、より早い利上げ開始やテーパリングがタカ派側より主張されていたのが分かると、米国株式は主要3指数そろって急落となりました。

 これを受けて5日(水)には2万9,388円まで上昇し、終値2万9,332円だったものが、6日(木)には、▲844円の2万8,487円の急落。週末には2万8,293円まで下げて、終値は2万8,478円となりました。

 柴田罫線のチャート分析では、2万8,000~2万9,000円のレンジを想定していましたが、上限近辺から下限近辺まで下げています。

 正月連休明けの4日(火)は、前日の米国市場で、NYダウ、S&Pが史上最高値を更新する上昇となったことで、日経平均は+306円の2万9,098円で寄り付き、一時+532円の2万9,323円まで上昇し、終値は+510円の2万9,301円と3日ぶりに大幅反発し、2万9,000円台を回復しました。2021年11月25日以来の高値水準となりました。

 5日(水)は、前日のNYダウは+214ドルの3万6,799ドルと連日の高値更新となったものの、ナスダックが大幅反落。これを受けて日本市場は、ハイテク株が売られ、一時▲97円の2万9,204円まで下げましたが、後場、後半強含み+30円の2万9,332円の小幅続伸となりました。

 6日(木)は、前日の米国市場では、FOMC議事録が公開されました。

 この中でタカ派姿勢がより一層鮮明となり、市場では、3月の利上げ開始を見込む動きや年内の利上げ回数も3~4回と多い観測があり、また、テーパリングの前倒しの見方もあり、主要3指数そろって大幅下落となりました。

 これを受けて日経平均は、▲195円の2万9,136円で寄り付くと先物にまとまった売りが入って下げ幅を拡大し、さらにオミクロン株の感染拡大を嫌気し、米利上げ観測の早まりを警戒して▲844円の2万8,487円で引けました。

 週末7日(金)は、前日の大幅安の反動から+223円の2万8,711円で寄り付き+325円の2万8,813円まで上昇するものの、その後は手じまい売り優勢となって一時▲194円の2万8,293円まで下げました。その後は下げ渋り大引け近くに持ち直し▲9円の2万8,478円で終わりました。

 週末の米国市場では、注目の雇用統計の発表がありました。この中で、非農業部門雇用者数は市場予想の40万人増が19.9万人増と大きく下回ったものの、平均時給が予想以上に上昇し、失業率は2020年2月以来の低水準まで下げました。

 結果的に賃金上昇や失業率の改善を受けてインフレ高進懸念を高め、10年債利回りが上昇し、ハイテク株主体のナスダックがS&Pとともに4日続落となりました。

 NYダウは一時+146ドル高となりましたが、終値ではほぼ前日と変わらず▲4.8ドルで引けました。

 シカゴの日経先物は▲45円の2万8,405円でした。