株投資の戦略:割安株と成長株のいいとこ取り「割安成長株」

 割安株と成長株のメリットをあわせ持つ株はないものか…実はそのようなカテゴリーもあります。「割安成長株」と呼ばれるものです。

 通常、成長株は株価指標から見て割高なものが多く、PER(株価収益率)が50倍とか100倍というものも珍しくありません。それらは将来の高い成長期待が反映されているので、実際に高成長が持続するのであれば、妥当な評価です。

 しかし、成長が鈍化したり売り上げや利益が減少したりしてしまうと、高成長評価というゲタが外れ、株価は大きく下落してしまうことが多いのです。

 これを、割安成長株は「割安」な「成長株」ですから、そもそも高い成長期待が株価にあまり反映されていません。そのため、成長が鈍化したり業績が悪化したりした場合、株価は下落するでしょうが、通常の成長株ほど、ひどい下げにはならないことが多いようです。

「割安成長株」の条件は?

 割安成長株は割安性と成長性をあわせ持つものです。では、具体的にどのような株が該当するのでしょうか?

 人により異なるでしょうが、筆者としては「PERが15倍以下」で「売り上げ・利益の伸びが年間10%以上」といった定義づけをしています。

筆者の定義する割安成長株の条件

割安成長株の条件

PERが15倍以下で、売り上げ・利益の伸びが年間10%以上

 ただし、この条件だとなかなか合致するものが見つからないというのであれば、条件を多少甘くしてもよいと思います。

 例えばPERを20倍以下にまで緩めるとか、売り上げ・利益の伸びは年によっては年間5%以上であれば許容する、といったようにです。

 あくまでも主眼は割安な「成長株」であり、「割安株」そのものではありませんから、成長性の面はあまり妥協しない方がよいと思います。