投資小説:もう投資なんてしない⇒

第3章 バブル崩壊は、投資タイミングのヒントになるか?

<第2話>ご機嫌いかが?Mr.マーケットとバブルとマグロ

「それでは次にMr.マーケットの話をしましょう」と先生が話を切り替えた。
「Mr.マーケット? ミスターということは、長島茂雄?」

「ふむ。さて、Mr.マーケットとはバフェットが株式市場のことを言う際に好んで使う言葉です。なぜミスターとつけるかと言うと、株式市場(マーケット)というのは、まるで人の感情の起伏のように、上がったり、下がったりするからです」

「そういうことですか。私の嫁も朝はとても機嫌が悪く、ほとんど話しかけられる状態ではないのですが、夜、お気に入りのワインを飲んでいるときは不気味なくらい機嫌が良く、『あなたも仕事がんばっているわね』なんて言葉をかけてくれたりするんですよね。なんでしょうね、あの振り幅は。その真ん中くらいがいいんですけど。」

「Mr.マーケットもあなたの奥さんに勝るとも劣らないほど、気性が激しいのです。ではまず、とっても機嫌がいいときの話をしましょう。つまりバブルのことです」
「えっ、バブルですか?」

「そうです、バブルを理解すると相場の特徴も理解できます。株式市場では、好景気で市場が活況を呈して、株価の値上がり基調が続くことがありますが、そうしたブームもバブルとは紙一重で、日本も1980年代の不動産バブル、1990年代後半にアメリカで起こったITバブルなどがあります。そして、ある日突然やってくる相場の暴落はバブルの後遺症です。よく気を付けないとね」

「気を付けろ、と言われても・・・。」