オミクロンが世界景気に与える影響、楽観シナリオと悲観シナリオ

 現時点で、南アの新変異型がどのくらい世界景気に悪影響を及ぼすか、予想するのは困難です。そこで、楽観シナリオと悲観シナリオに分けて、考えてみました。

楽観シナリオ

 既存ワクチンに、かなりの感染防止効果があれば、ワクチン接種が進んでいる先進国にオミクロンの感染が広がらないと考えられる。既存ワクチンに十分な予防効果がない場合でも、オミクロンに効果のあるワクチンを新たに開発することは、短期間にできると考えらる。一部報道によると、米ファイザーと独ビオンテックは、新変異型に対応するワクチンを開発して出荷することが100日以内に可能と表明。

 RNAワクチンの開発能力が高まった今、どのような変異型が出てきても、短期に対応するワクチンを開発することは可能になっていると考えられる。経済的に余力のある先進国では、新しいワクチンを開発しすぐに無償で全国民に接種可能とすることで、経済に深刻なダメージを受けることを回避できると予想。

悲観シナリオ

 既存ワクチンはほとんど予防効果なし。効果のあるワクチンをすぐに開発することができず、オミクロンが世界中に蔓延。

 そもそもオミクロンが検出される前から、欧州では新型コロナの感染再拡大が進んでいた。オミクロンとともに従来型コロナも感染拡大し、世界にロックダウンが広がる。

 私は、楽観シナリオに近いことが実現すると予想しています。したがって、日経平均は2万8,000円近くまで下がる可能性がありますが、そこは「買い場」と考えています。

 ただし、前例のない変異型の影響について、まだわからないことが多すぎるので、悲観シナリオに近いことが起こるリスクもあります。楽観・悲観どちらのシナリオが実現しそうか考えながら、割安な日本株を少しずつ時間分散しながら買い増ししていく方針で良いと思います。