下がり続ける可能性は?注目したいもう一つの指標

 では、逆にどんどん下がっていくのかという点についてですが、私が重要視しているもう一つの指標をお伝えしたいと思います。それは、「日経平均株価の予想EPSの4週前比の増減率」です。

 2013年からの推移は次のようになっています。

グラフ2:日経平均株価と予想EPSの4週前比増減率

*予想EPSは、来期予想と再来期予想を独自に調整し、作成しています。
出所:マネーブレインが独自分析し作成

 このグラフを見ると、+1%以上が継続しているときには株価は上昇傾向にあることがみてとれます。足元では2021年7~9月の四半期決算の発表が一巡しましたが、アナリストが予想をしていたよりも企業業績は全体として好調で、4週前比の増減率も+2%以上と、再度、大幅な上昇率となっています。この点からみると、日経平均は少なくともどんどん下がっていく状況にはないようにみえます。

 グラフ1からはどんどん上がる状況にはない、グラフ2からはどんどん下がる状況にはないということで、当面の間は上がりにくく下がりにくい展開が想定されるということになります。

 今回のように、前年比でピークアウトしながら4週前比で+2%以上になるという状況は、2017年12月にピークアウトをした時にもありました。当時は、日経平均株価はいったん頭打ちになり下落しましたが、どんどん下がるという形にはならず、企業業績の堅調さから、再度盛り返す展開となりました。