今週の指標:ドル/円

 FRBによる早期利上げ観測は後退しましたが、ECB(欧州中央銀行)の金融緩和策は長期化するとみられており、安全資産としてドル買いが続きそうです。他の主要中央銀行も金融緩和縮小に慎重な姿勢を維持しており、ドル買いが活発化する要因となっています。ただし、1ドル=115円台は2017年3月以降の高値圏にあることから上値は重いといえます。

先週の結果

 米国の10月小売売上高が市場予想を上回り、10年債利回りが上昇し、ドル買い・円売りが強まりました。11月17日に114.97円までドル高が進行しました。その後、利益確定のドル売り・円買いが観測され、114円を下回る動きとなりました。19日には一時113.35円までドルが売られましたが、欧州中央銀行総裁が「金融引き締めを急がない」と発言したことで、ユーロ売り・円買いが活発となり、この円買いがドル売りにつながりました。

 しかし、FRB理事が量的緩和の縮小ペースを速めることを支持したことで、ドル売りは一服し114.01円で引けました。