安易な成功談2:Aさんが勧めてくれた株が5倍になったんです!

 これもよく聞く話で、「証券会社の担当者が勧めてくれた株が大きく上昇した」とか「友人に教えてもらった株が5倍になった」というものです。

 ここで怖いのは、「Aさんが以前勧めてくれた株が大きく上昇した。だから今回勧めてくれた株も大きく上昇するはずだ!」と無意識のうちに思ってしまうこと。もしマーケット環境が悪化し、株価下落が続くようになれば、いくらオススメ銘柄だとしても株価は大きく値下がりしてしまう可能性が大きいのです。

安易な成功談3:3年で100万円の資産を1億円にした投資法があるらしい

 自立していない個人投資家は「短期間に」「大きな利益を得られる」という話に弱いものです。例えば「3年で100万円を1億円にした投資法・今だけ無料公開!」という、あおるような言葉を見ると、「そんな素晴らしい話が世の中にはあるのか」と喜んで飛びついてしまうケースも少なくありません。

 短期間で資産を何十倍、何百倍にした投資法は、作り話であることも多いのですが、中には本当に3年で100万円を1億円にしたような強者もいます。

 では、自立していない個人投資家が、短期間で資産を大きく増やした投資法をまねしたら、うまくいくのでしょうか。残念ながら、そうならない可能性が高いのです。

 短期間で資産を大きく増やすためにはマーケット環境が良好である必要があります。そんな中で、例えば信用取引を使ってレバレッジを高め、かつ株価の変動が激しい小型成長株に投資することで、短期間で株価が何倍にも上昇し、高いパフォーマンスの実現が可能となります。

 ところが、レバレッジをかけた無謀な勝負に出るとマーケット環境が良好なときは大きな利益を得られる半面、悪いときは逆に大きな損失を被ってしまいます。

 でも、自立していない個人投資家は「短期間で資産爆増!」というプラス面だけを切り取って評価してしまいがちなのです。