安易な成功談1:ずっと株価が上がっているから今から買っても大丈夫

 最近は個人投資家の方も新聞、雑誌だけでなくネットなどで、投資に関するさまざまな情報を取るようになっています。

 するとよく出てくるのが例えば「S&P500に連動するETF(上場投資信託)を10年前に買って保有を続けていたら5倍になった」というような成功談です。

 この成功談を聞いて実際にS&P500のチャートを見ると、確かに10年以上価格が上昇し続けていて、さらに今後も上昇しそうに思えてしまいます。

 このような状況で、「S&P500に連動するETFを買おうと思っています。ずっと株価が上がっているから今後も上がるだろうと思いますし」とお話しされる方が結構多いです。

 でも、確かにここまで大きく上昇してきたのは事実ですが、長期間にわたり上昇が続いていますので、いつ天井をつけてもおかしくないといえます。

 また、中身を見ると500社のうち、巨大IT企業のGAFA(グーグル、アマゾン・ドット・コム、フェイスブック、アップル)など一握りの企業の大きな上昇で成し得たものです。それらの株価が今後、天井をつけて大きく下落する可能性もあります。

 ですから今の時点で買うこと自体は間違ってはいないと思いますが、もし株価が下がって下降トレンドになったら速やかに売却するべきだと思います。そうしないと株価が天井を付けた後、大きく下落して損失が膨らんでしまう可能性があるからです。

「今まで上がっているからこれからも大丈夫」という保証はどこにもありませんので、無意識のうちに楽観的になっている個人投資家が多いことは気がかりです。