金利が下がる都度、売られてきた銀行株

 中間決算の中身に踏み込んで解説する前に、まず、3メガ銀行の株価が過去どう推移してきたかご覧ください。株価は、長年にわたり低迷が続いてきました。

日経平均および3メガ銀行株価の値動き比較:2007年1月~2021年11月(16日まで)

出所:2007年1月末の値株価を100として指数化、QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 日本の3メガ銀行株は上のチャートでわかる通り、2008年以降、金利低下とともに売られてきました。日経平均を大幅に下回るパフォーマンスとなっています。

 株式市場で「金利低下→銀行(金融業)の収益悪化」というイメージが定着しているので、金利が低下する都度、世界中で銀行株を始めとして金融株が売り込まれました。

日米の長期金利(10年国債利回り)推移:2007年1月~2021年11月(16日)

出所:QUICKより作成

 3メガ銀行は、まず日本の長期金利が低下する過程で売られました。さらに、ドルの長期金利低下を嫌気して売られました。

 2021年に入り、ドルの長期金利が一時1.7%台まで反発すると、世界的に金融株が上昇し、日本の3メガ銀行株も上昇しました。ところが、その後ドル長期金利が一時1.2%まで下がると、世界の金融株、日本の3メガ銀行株とも反落しました。

 現在、またドル長期金利が1.6%まで戻しているので、銀行株が上がってきています。世界の株式投資家は相変わらず、日本の3メガ銀行株を金利連動株として扱っています。