株式会社バリューアドバイザーズ・五十嵐修平氏
株式会社バリューアドバイザーズ代表取締役社長。一般社団法人証券相続普及協会顧問。大学卒業後、東証一部上場の証券会社に入社。その後2013年2月に株式会社バリューアドバイザーズを設立。お客さまと目的・目標を共有しゴールに向かって運用する欧米の手法に感銘を受け、独自のコンサルティング手法を考案。日本経済新聞、賃貸住宅新聞などメディア出演も多数。近著に『55歳からでも失敗しない投資のルール』クロスメディア・パブリッシングがある。 

IFAのお客さまは、普通のお客さまの3倍、ふるさと納税が好き!

ふるさと納税とは

 自分が生まれ育った場所で今も働き、その自治体に税金を納めている、という人はさほど多くありません

 生まれ育った自治体から医療や教育など、さまざまな住民サービスを受けて育ったのに、働き始めると都会や他の地域に生活の場を移し、その自治体に税金を納めている方が多いのが現状。これでは、自分が生まれ育った故郷の自治体には税収が入らず、人が集まる都会にばかり、税金が集まるという不公平が生じます。

 そこで、自分が今住んでいる場所以外の土地に納税できる制度を作ろう、という骨子で生まれたのが「ふるさと納税」という制度。もちろん、生まれ育った土地以外の、旅行先で親しみを持った土地や、配偶者のふるさと、ドラマに出てきた土地、名前だけしか知らない土地など、納税先は自由に選ぶことができます。

 たとえば、1万円の寄付を自分が住む自治体以外の自治体に寄付した場合、そこの名産のお肉やフルーツなどが、寄付の返礼品として贈られてきます。その返礼品が、2,000円程度では購入できないほど魅力のある商品であることが多いため、気持ちよく寄付をして、さらに上質な返礼品ももらえるという点で大人気となりました。

 ふるさと納税に関する記事は世の中に溢れており、すでに楽しまれている方も多いと思いますので、今回は著者がIFAとしての観点から、お金持ちのお客さまのふるさと納税事情についてお伝えします。

 日本ではまだ認知度が高くない我々*IFAをご利用いただいているという時点で、お金や節税に対する意識が高いお客さまが多いと考えられます。

*IFAとは:“Independent Financial Advisor”の略で、「独立系ファイナンシャルアドバイザー」とも呼ばれる、金融アドバイザーの業態の一種です。既存の金融機関から独立した存在のため、中立的な立場でお客さまのためになる資産形成アドバイスができるのが大きな特徴です。

 それを示唆するデータが、世の中全体と、当社のお客さまの、ふるさと納税利用率の差です。2020年の総務省データによると、ふるさと納税を活用している人は552万人。個人住民税(所得割)の納税義務者は約5,100万人なので、利用率としては約10.8%がふるさと納税を利用しているということになります。

 一方、当社のお客さまのふるさと納税利用率は約30%。通常の3倍の方々が、ふるさと納税を楽しんでおられるということが分かります。IFAを利用している資産家ほど、節税意識が高く、積極的にふるさと納税を活用していると言えるでしょう。

 さらに、一人の方が寄付できる上限額は、年収によって決まっており、年収が高ければ高いほど、寄付できる額が増えます。逆に言うと、たくさんふるさと納税を利用できる人は、相当のお金持ちというわけです。

 今回は、その中でも群を抜いてふるさと納税を積極活用している、資産家をご紹介しましょう!