米国高配当株5:アトランティカ・サステナブル・インフラストラクチャー(AY)

 再生可能エネルギーを事業の中心とするインフラ企業です。

 北米、南米、欧州で事業を展開しており、各地域で太陽光エネルギーや地熱エネルギー、水力・風力発電などに投資を行っています。

 時価総額は40億ドルで、日本円で約4,600億円となっています。

事業の注目ポイント

 事業の中心は再生可能エネルギー事業(RENEWABLES)で、続いて天然ガスおよび地熱エネルギー事業(NATURAL. GAS & HEAT)、送電線事業(TRANSMISSION LINES)、水力発電事業(WATER)となります。

出所:決算データより筆者作成

 再生可能エネルギー事業では、太陽光発電などを、天然ガスおよび地熱エネルギー事業では主に天然ガスなどを、送電線事業では送電線の管理運営を事業として展開しています。

 また、地域別では、欧州・中東・アフリカ(EMEA[Europe、the Middle East、Africa])の売り上げが最も大きく、続いて北米(North America)、南米(South America)となります。

競合他社

 競合他社として、電気部門をはじめとする3つの事業を運営する持株会社であるオッター・テール(OTTR)、ニューメキシコ州とテキサス州で電気および電気サービスを提供し、複数の規制ユーティリティを有するPNMリソーセス(PNM)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は昨年の高値まで戻っていませんが、配当は今年に入ってから増配しています。

 新型コロナ発生後、いったん株価は下落したものの、世界的なカーボンニュートラルへの流れもあり、すぐに下落分を取り戻し、新型コロナ前の水準を超えて株価は推移していました。

 しかし、今年3月に発表された決算において太陽光発電や地熱発電への投資などによってコストがふくらみ、EPSが減少したことなどをきっかけに株価が下落し、その後横ばいで推移してします。

 今後は、これらの投資が業績にどれだけ寄与するか注目です。

業績動向

 2021年8月1日開示の四半期決算では売上高は市場予想を上回ったものの、EPSは市場予想を下回りました。

 売り上げについては最近の投資拡大によるものと、米国とスペインでの日射量が増加したことで、前年同期の水準と比較して、売り上げが拡大しています。

 一方、事業拡大のために新規投資を行っていることもありEPSは市場予想を下回りました。

 今後は世界的なクリーンエネルギーへの投資拡大と、直近の事業投資が業績に寄与することで業績拡大・株価回復が期待されます。

 次回2021年11月11日に開示予定の四半期決算で、市場予想を上回る決算を発表できるか注目です。

注意点

 米国ではインフレが進んでおり、それに伴う発電コストの増加への懸念があり注意が必要です。

株価動向、配当利回り

配当1.72ドル
配当利回り:4.74%
株価:36.22ドル(約4,100円)

 権利落ち日は11月下旬予定(権利実施は12月中旬予定)です(2021年10月18日時点で未確定。2020年11月配当を参照)。

 配当は1.72ドル、配当利回りは4.74%、株価は36.22ドルで約4,100円から購入できます(2021年10月15日時点)。

 2018年以降の最高値は46.42ドル、最安値は17.63ドルです(終値ベース)。

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