米国高配当株1:グラクソ・スミスクライン(GSK)

 英国に本社を置くグローバルヘルスケアカンパニーです。

 医薬品事業(Pharmaceuticals)、大衆医療品事業(Consumer Healthcare)、ワクチン事業(Vaccines)製品という3つの事業をグローバルに展開し、それぞれの事業において製品を研究・開発・製造しています。

 時価総額は972億ドルで、日本円で約11兆1,000億円となっています。

事業の注目ポイント

 事業の中心は医薬品事業で、続いて大衆医療品事業、ワクチン事業となります。

出所:決算データより筆者作成

 医薬品事業では呼吸器、HIV(エイズウイルス)/感染症などを取り扱っています。

 また、大衆医療品事業では歯磨きの「シュミテクト」や抗炎症剤「ボルタレン」など日常のヘルスケアブランドを、ワクチン事業では人々を各種疾病から守る数々のワクチンを供給しています。

株式の注目ポイント

 株価は昨年2020年の高値まで戻っていませんが、配当は昨年後半より毎四半期ごとに増配しています。

 昨年、新型コロナウイルスの影響により帯状疱疹(ほうしん)予防接種需要の減少や他の感染症関連医薬品などの売り上げが落ちたこともあり株価が下落し、昨年の高値まで回復していません。

 しかし、株価が下落したことで新型コロナ発生前まで4%台だった配当利回りが5%台まで上昇しており、配当を目的として保有するのにはよい水準ではないでしょうか。

業績動向

 2021年7月28日開示の四半期決算ではEPS(1株当たり利益)・売上高ともに市場予想を上回りました。

 グラクソ・スミスクラインの取り扱う帯状疱疹予防ワクチン「Shingrix」などは、コロナワクチンと同時接種ができないため売り上げが落ちていましたが、各国で2回目の接種が広がるとともにShingrixなどの売り上げが回復し、それに伴い業績も回復してきました。

 また、グラクソ・スミスクラインでもコロナ治療薬の申請を行うなど、さまざまな製品開発を継続しており、今後はそれらの売り上げ拡大と業績拡大が期待されます。

 次回は10月27日に四半期決算の開示予定ですが、市場予想を上回る数字を出せるか注目です。

注意点

 コロナワクチン接種のスピードが各国で異なることや、それに伴う経済回復のスピードが異なることで、グラクソ・スミスクラインの販売計画に変更が発生する可能性があり、それが業績に影響を及ぼすことを同社も懸念しています。

株価動向、配当利回り

配当:2.19ドル
配当利回り:5.61%
株価:39.01ドル(約4,400円)

 権利落ち日は11月中旬予定(権利実施は2022年1月中旬予定)です(2021年10月18日時点で未確定。2020年11月配当を参照)。

 配当は2.19ドル、配当利回りは5.61%、株価は39.01ドルで約4,400円から購入できます(2021年10月15日時点)。

 2018年以降の最高値は47.89ドル、最安値は31.85ドルです(終値ベース)。