今回のサマリー

●日本投資家は、買い先行逆張り、同調追随的な集団行動で知られています
●この投資行動のパターンはかなり強く、特有の損失リスクを招いてきました
●相場を知り、己を知れば、百戦してあやうからずと心得て、自らの投資行動についてご一考を

2つの行動パターン

「彼を知りて己を知れば、百戦してあやうからず」、これは孫子の言葉。投資で相場と対峙(たいじ)するとき、彼すなわち相場について勉強し情報収集するばかりでなく、自分自身について知ることが重要です。頭を使わない、悩まない、そんな無頓着な相場参加の投資家は、先行き不透明な状況でリスクに直面すると、特有の心理的ゆがみが生じやすいといわれています。

 特に日本投資家は、ある決まったパターンの行動を集団で取ることが広く知られています。海外の投機筋には、それを逆手に取ろうという勢力が折々に現れます。相場内における別の巨大勢力である日本投資家があからさまにユニークな集団行動を取るのですから、特に知ろうと思わなくても、使わない手はないとなります。日本投資家としても己を見つめ直しておくべきでしょう。

 今回は日本投資家の行動パターンから(1)買い先行逆張り、(2)同調追随集団、の2点を取り上げます。