今日の為替トレッキング

今日の一言

ジョンの死後、ヨーコが僕に、ジョンはあなたを心から好きだった、と言ってくれたんだ。嬉しかったよ。だって、見方によっては、全く愛されてないようだったから。- ポール・マッカートニー

今夜はドント・ストップ

 今夜は9月の米雇用統計が発表されます。前回の雇用統計が期待外れの結果に終わっているだけにマーケットは注目。強ければFRB(米連邦準備制度理事会)の11月緩和縮小開始の決定打になります。逆に弱ければ、支持率が50%を切ってしまったバイデン大統領にとってはさらなる痛手になるでしょう。今回の雇用統計の詳しい解説については「「もう仕事はしない!」米雇用が増えない理由は、「FIRE」ブームだった?」をお読み下さい。

 2020年2月の米経済はまさに絶好調で、米雇用市場は50年ぶりの低失業率を謳歌していました。ところが、新型コロナの襲来がたった2ヵ月間で2200万人もの職を奪い、労働市場は完全雇用の状態から戦後最悪の水準まで一気に悪化したのです。

 その後の反動もまた驚異的で、2020年5月と6月の2カ月間であっという間に30%以上も元に戻ったのです。これを景気循環と呼ぶなら、3月と4月は不況期で5月と6月は好況期。これまで経験してきた景気循環とは、長ければ50年、短くても40カ月が周期だから、まさに異次元のスピード。

 米雇用市場は、その後はデコボコがあったものの、ワクチンの普及や経済再開とともに娯楽や飲食業に従業員が次々と戻った結果、非農業部門雇用者数は2020年5月から2021年8月までの16ヵ月間で約1,700万人増加。新型コロナ以前の完全雇用状態には、まだ約500万人少ない状況ですが、2021年1月から8月までの期間、雇用者増は月平均で56万人増加しているので、今後もこのペースでいくならば、来年の5月には新型コロナで失われた雇用が全て元通りになる計算です。ちょうど、FRBが緩和縮小を終了させる時期と一致しています。