今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは112.10

下値メドは109.95

中国停電による生産縮小を見越し米国向けのコンテナ輸送費が下落。一時はコロナ前の6倍まで上昇

 7日(木曜)のドル/円は「円安」。高値111.65円、安値111.23円、1日の値幅0.42円。 

 この日は111.40円からスタート。欧州時間までは111.50円前後が重く、111.23円まで下落。しかし前日の安値(111.20円)とほぼ同水準で下げ止まると、リスク回避ムードが次第に和らぐなかで円安へ。NY時間には米10年債利回りが一時1.57%まで強まったことに連れて111.50円を超えると、引けにかけ111.65円まで上昇しました。ただ前日の高値(111.79円)には届かず、勢いはイマイチ。終値は111.64円(前日比+0.21円)。

今週、投資家がリスク回避姿勢を強めた理由に、米国の「債務上限」問題があります。まずありえないとはいえ、民衆党と共和党の政治バトルがこじれたままなら、10月18日に米国債がデフォルト(債務不履行)するかもしれない。そこで共和党のマコネル上院院内総務が、連邦債務の上限を12月まで2ヵ月延長する案を提案、民主党がこれを受け入れると伝わったことで不安が一時的にやわらぎました。

 もうひとつの理由は「エネルギー」問題。ロシアのプーチン大統領が、欧州向け天然ガスの供給増を示唆したこと、そして米国が戦略石油備蓄(SPR)を放出するとの報道で、最近の価格高騰がいったん落ち着きました。ただ米政府はSPR放出計画を否定したため、NY原油先物価格は再び上昇しています。

 いずれも問題が解決したわけではありませんが、それはまた後から心配することにして、まずは今夜発表される米雇用統計に集中。この日の米長期金利は6月以来の水準まで高くなりました。年末まで2.00%に達するという見方が強まっています。中国恒大集団の破綻リスクは消えていないのに、安全資産である米10年債利回りが急上昇しているのは、中国リスクはローカルな問題で世界の金融市場に大きい影響はないと考えられているからでしょう。マーケットにとってはFRBの金融政策の方がより重要だということです。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成