値上がり率ランキング(5銘柄)

1 アジアゲートHD(1783・ジャスダック)

 怪しさ満載の値動きでしたが、仕手系材料株として株価は2倍高に。8月末の株価は48円と超低位株で、時価総額も約61億円の超小型株でした。この時点では信用買い残もわずか1,400万円程度で、1日の売買代金も1,000万円未満。

 少額の買いで値が飛びやすい銘柄でしたが、動意付いたことで値幅取り狙いの個人短期マネーを呼び込んだことで値を飛ばしました。

 材料と言えるとすれば、27日のリリースくらいでしょうか。不動産事業を展開するNC MAX WORLDという会社に49%出資し、持分法適用会社にすると発表しています。

 業績に反映されることへの期待、ということでしょうが、そもそも急に動意付いたのはその2週間前。怪しさ満載…。

2 フロンティアインターナショナル(7050・マザーズ)

 決算に関するポジティブサプライズをきっかけに、買い注文に対する売りの少なさ(持っていた短期の個人投資家が少ない)から生じる需給ギャップで急騰した銘柄。

 同社は13日、今第1四半期の売上高が前年同期比79%増、営業損益は2.57億円の黒字(前年同期は1.9億円の赤字)に転換したと発表しました。デジタルでのイベント配信やオンライン案件の大幅伸長が理由のようです。

 また、中間期の業績予想も初めて開示。営業利益が前年同期比3.7倍の11億円見通しとし、伸び率の高さがサプライズとなりました。

 決算ポジティブ銘柄ですが、それを期待して保有していた個人投資家が少なかったのが最大のポイント。決算直前時点の25日移動平均売買代金は、わずか1,279万円でした。

 流動性、知名度とも極めて低い状態で注目を浴びたため、膨らんだ買い注文に対して売り注文が圧倒的に不足し…発表翌日から2日連続ストップ高買い気配で、上限値幅4倍拡大の措置が発動した16日にようやく(発表前比73%高で)寄り付きました。

3 グローバルウェイ(3936・東証マザーズ)

 今年の上昇率ナンバーワン新興株です。当初は仕手系材料株でしたが、流動性があまりにも高くなったことで、大口の個人短期勢、アルゴリズムまで参戦し始めた印象。前月に発表した1対5の株式分割接近も株価にはプラス方向へと働きました。

 1対5の株式分割の権利落ち日は15日。株式分割で買いやすくなるため株価は上がる、と思われがちですが、実際は分割後に急落するケースは意外に多いといえます。しかし同社の場合、5分割で買いやすくなった15日がストップ高買い気配に。

 そこから22日高値まで水準を切り上げたのですが…やはり買ったのは個人の信用組。東証が24日売買分からの増担保規制を発表。これで2日連続ストップ安に。それでもなお、株価は当初に比べて高株価です。いつまで高値維持するのか、はたまた高値を再度突き破るのか…。

4 アールプランナー(2983・東証マザーズ)

 名古屋を中心に、戸建て住宅の請負・分譲を展開。マザーズ銘柄としては業態が地味なこと、愛知県地盤のため知名度が低かったこともあり、マザーズでは珍しい予想PER(株価収益率)7倍台の低PER株でした。

 その同社が6日、中間期業績の上方修正を発表。コロナ禍での生活スタイル変化で戸建て住宅の需要が高まり、営業利益は前年同期比2.4倍に大幅増額しました。

 同社についても、流動性、知名度とも極めて低かった銘柄。中間期業績の増額発表直前の25日移動平均売買代金は1,065万円でした。

 時価総額も27億円台と超小型だったこともあり、決算サプライズで集まった買い注文に見合うだけの売り注文はなかなか集まらず…翌日はストップ高買い気配、月間では66%高と、株価は景色を変えました。

5 Birdman(7063・東証マザーズ)

 マイナー小型株が決算材料で急騰、勢いとしてはナンバーワンだったと思われます(“往って来い”気味となり、月間上昇率としては52%高どまりでしたが…)。14日、今2022年6月期の業績予想を、売上高は33.1億円(従来予想25.0億円)、営業利益は2.1億円(同1.0億円)へ大幅増額。

 併せて、新進気鋭のアーティストやクリエイターと連携し、新しいエンタメを創出するエンターテイメント・トランスフォーメーション事業を新設するとも発表しました。後者の新事業の材料としての強度は分かりかねますが、前者の業績修正は明らかにポジティブサプライズ。

 同社も発表前の時価総額は27億円台と超小粒で、発表直前の25日移動平均売買代金はたった400万円でした。ほぼ売買されていなかった銘柄に短期マネーが集まったことで、強烈な需給ギャップが発生。

 発表翌日から2日連続ストップ高買い気配で、上限値幅4倍拡大の措置が発動した17日に全株一致しました。この日の高値が3,150円でしたので、発表前終値1,088円に対し、瞬間最大で190%の上昇率を記録。社名の通り(?)、空高く飛びました。