資産1億円へのターニングポイント

 ところで、株式投資をはじめてから一進一退を繰り返していたまつのすけ氏が軌道に乗ったのは、ひらめきだけで突っ走らずに、必ず検証して裏付けを取ったことによる。

「ひらめいた投資アイデアは必ず過去データを収集して、表計算ソフトで検証して、期待値(その投資法を繰り返した場合に期待できる収益)とリスクを把握することを続けたら、利益が出るようになりました」(まつのすけ氏)

 まつのすけ氏のやり方をまねるなら、すぐにできる方法として「株式を買おうと思ったり、あるいは空売りしようと思ったりした場合、誰でも必ず何らかの理由があるはずです。そして、その理由で過去に投資を行った場合、パフォーマンスが良かったのか否か、データで確認してみてください。何となく売買して損失を出してしまう事態を回避できます」とアドバイスする。

 では具体的な手順を追ってみよう。

1:買おうと思った理由を明確にする

2:その上で過去に同じ理由が該当する銘柄に投資していた場合、トータルでは利益が出ているのか否かを検証する

3:これを繰り返すうち、次のような引き出しを増やすことが可能になる
「Aという属性を持つ銘柄は株価が上がりやすい(下がりやすい)」
「Bという事象が起こったらXの株価が上昇する傾向(下落する傾向)」
「Cという経済状況においては、Yの株価が強い可能性(弱い可能性)」

 まつのすけ氏は「データ分析をすると、一定の条件を充足すると勝率が高いというパターンがいろいろと出てきます。その中で自分がしっくりきて実践できることを選定して、独自のストラテジー(戦略)を構築していくと大きな武器となり、クールに期待値が高い銘柄を淡々と売買していくことが可能になります」と言う。

 さらに、まつのすけ氏は、「数年に一度訪れる可能性があるバブルに乗る、株価が大きく上昇する局面でうまく買いを入れられたら、一気に1億円といった状況になれます。でもバブルはそうは訪れない。だから、データ分析で統計的に勝率が高いエッジを見つけることが重要で、それができればバブル期ではなくても着実なリターンを上げて、相場動向に大きく左右されずに収益を得られるようになります」とこの方法の有用性に自信を見せる。

 ところで、まつのすけ氏が毎日データを収集してエントリーポイントが生じていないか確認作業を行う上でオススメするのが、楽天証券のRSS(更新情報を配信するための技術)だと言う。一気に多数の銘柄のデータを日々収集できて便利ということだ。