※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
[動画で解説]恒大ショック 最善&最悪シナリオ 2つの顔を持つ中国
---------------------------

恒大ショックで日経平均急落

 9月20日の日経平均株価は、前週末比660円安の2万9,839円と急落しました。中国の不動産開発大手「恒大集団」の資金繰り悪化を受けて世界的に株が売られ、日本株にも外国人投資家の売りが波及しました。

 ただし、この問題をどう織り込んだら良いか、株式市場の参加者に迷いがあります。

 日本円換算33兆円以上(2020年末時点)の巨額負債をかかえた恒大集団が破綻すれば、連鎖的な破綻が広がり、中国経済に大きなダメージが及びます。世界の金融市場への悪影響も大きくなります。

「リーマン・ショック並みの問題に発展する」という悲観的な予想もあります。

 一方、「中国政府が救済策を発表するに違いない。世界の金融市場への影響は限定的」と楽観的な予想もあります。

 どちらかわからない以上、「あまり極端な動きはできない」「多少株を売ってみるものの大量に売るわけにはいかない」というのがグローバル投資家の現時点での感覚と思います。

 20日の日経平均660円安はわずか1.7%の下げに過ぎず、どちらかというと「中国政府が救済する」期待が投資家に強いと言えそうです。