注目の中国株4:JDドットコム(09618)

 テンセントが筆頭株主(ただし、劉強東会長が76.9%の支配権を所有)である大手電子商取引企業です。ライバルのアリババと比べると業務内容は比較的シンプルです。大手企業と自社出店によるB to C型通販サイトであるJD.comが基幹プラットフォームで、京東健康では医薬品の通販を行っています。

 また、商品の物流に関しては京東物流(02618)が担っています。部門別売上高(2021年6月中間期)では、電子機器、家電販売が53%、日用雑貨販売などが34%、プラットフォームサービス・広告が7%、物流などその他サービスが6%となっています。

 2021年6月中間期は32%増収ながら、75%減益となりました。6月末時点のアクティブユーザーは27%増加したのですが、粗利益率の低下、販売費の増加などが響き、大幅減益となりました。

 中間期はやや残念な決算でしたが、新業務に分類される共同購入事業について、農村での発展が期待されます。共同富裕をビジネスチャンスに変えることができる企業だと考えます。

 また、独自の流通網を持つことで配達の速さ、正確性、安全性を追求しようとしている点、取り扱う商品に対する選定を重視している点などに特徴があり、競争力でも充分評価できる企業です。

注目の中国株5:同程芸龍(00780)

 業界最大手であるトリップ・ドットコム(09961)、テンセントが大株主のオンライン旅行会社です。部門別売上高(2021年6月中間)はホテル予約が32%、交通機関チケットが60%、その他が8%です。

 2021年6月中間期は70%増収、4億6,090万元の黒字(前年同期は90万元の赤字)でした。新型コロナ禍からの回復にテンセントのミニプログラムからの顧客流入増が加わり、大幅増収、黒字転換となりました。

 同社に注目する理由は、ワクチン接種が進んでいることにより新型コロナウイルス流行の終えんは近いと予想するからです。

 今後、旅行業界全体への支援策が打ち出されるとみられ、ユーザーとの接点の多い微信を効果的に使えることなどから業界平均以上の成長が期待できると考えています。