首相交代が明白になり、日経平均急騰
先週3日、米雇用統計が発表されましたが、なんともちぐはぐなマーケットの動きとなりました。ドル/円は米雇用統計のNFP(非農業部門雇用者数)が予想(73.3万人)を大きく下回る23.5万人となったことからドル安となりました。
しかし、ドル安になったといっても1ドル=109.50円以上をキープしており、これまでの中心レンジ109.50~110.50円をブレークしていない状況です。かなりのネガティブ・サプライズでしたが40銭程度の円高にしか過ぎませんでした。
株式市場ではダウは下落しましたが、NASDAQはテーパリング開始時期が遅れるとの期待から上昇しました。
一方で米10年債利回りは年内テーパリング開始の方向は変わらないとの見方から上昇しました。それぞれのマーケットがいいとこ取りしているような印象の動きでした。
日経平均株価は、3日の米雇用統計発表前の東京市場ですでに急騰していました。突然の、菅首相の「総裁選出馬せず」との報道によって600円近く上昇し、翌週の6日(月)も500円超の上げとなり、首相交代による経済対策への期待から2日間で1,100円超の上昇となりました。
7日(火)には、5カ月ぶりに一時3万円台を回復しましたが、この動きは米雇用統計の結果とは関係なく、NYダウの下落にも影響を受けていない動きでした。
このように米雇用統計発表後の為替、株、金利の動きは、それぞれの市場との関連性があまりなく、方向性もなく、ネガティブ・サプライズの判断を先送りしているだけかもしれません。