欧州の二つの山場

 日本は、菅首相の総裁選不出馬報道によって、29日の総裁選への注目度が一気に高まりました。

 このように9月は日米欧とも政局が波乱材料になりそうですが、その中で欧州が特に注目です。欧州は26日のドイツの選挙だけでなく、9日のECB(欧州中央銀行)理事会にもマーケットの関心が高まっています。

 ECBではドイツやオーストリアのタカ派が中心となって資産買い入れ減額を主張しており、資産買い入れ減額観測が急浮上しています。

 ユーロ圏のCPI(消費者物価指数)も、8月は10年ぶりの伸び率となっており、「インフレは一時的」との従来の姿勢を維持するのかどうか、という点も合わせて注目されています。

 米雇用統計によってFRBのテーパリングが遅れるとの見方が浮上している中で、ECBで資産購入の減額が協議されたという報道だけでもユーロ高に反応する可能性があります。減額ではなく買い入れペースを緩めるということでもユーロ高に反応する可能性があります。

 逆にハト派的な内容は現状ではサプライズとなることも予想されるため注意が必要です。欧州は9日と26日、それぞれの前後を含めて二つの山場を迎えることになりそうです。