労働賃金は上昇しなくても、心配ない!?

 前回の平均労働賃金は、意外にも前月比+0.5%へと大きく上昇しました。その理由については、ハリケーンで仕事を失った労働者が低賃金層に片寄り、一方で高賃金雇用者の多くが残った結果、全体の時給が押し上げられたとの分析があります。

 したがって、今回の平均労働賃金が下がったとしても、それは多くの労働者が仕事を見つけたことを意味しているわけで、必ずしも悪いことではありません。そのうえで、もし平均賃金が前月と同水準を維持していたならば、それは大幅賃金上昇が起きていることになります。10月の平均労働賃金の予想は、前月比+0.2%(前回+0.5%)となっています。

 

ドル/円の気になるパターン

 そこで指標発表後のドル/円がどう動くかということですが、ここ数ヵ月は、雇用統計の結果にかかわらず発表後をピークにいったん下げ、そこから月の後半にかけて上昇して次の雇用統計を迎える、というパターンが続いています。

 10月を例にとると、9月雇用統計発表直後に113.43円をつけた後、月の半ばには111.68円まで下げました。そこから反転して、月末にかけて7月以来の円安水準である114円台まで戻しています。

 このパターンが繰り返されるならば、今回の結果がたとえ強かったとしても、ドル/円は素直に115円に向かわず、まずは円高方向へ調整する可能性もありえます。

 

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