値上がり率ランキング(5銘柄)

1 フォースタートアップス(7089・東証マザーズ)

 5日発表の決算発表をきっかけに急騰。昨年3月の上場直後に付けた高値を、決算によるギャップアップで突き破るという珍しい動きに。

 同社は5日に第1四半期の決算を発表し、このタイミングで通期予想を修正しました。この修正幅にサプライズが発生、営業利益予想は従来の1.8億円から4.5億円への大幅増額でした。

 IPO後に株価が低迷し、人気離散で売買低迷…こういう動きになるIPOが大半ですが、人気が無かったことで急騰につながった面が非常に大きいといえます。決算発表直前の時価総額は約50億円だったのですが、信用買い残は2,500万円相当しかありませんでした。

 決算に期待して信用で持っていた投資家がほぼ皆無…そこに新規の買いが群がったことで生じた需給ギャップで跳ね上がったパターンです。

2 グローバルウェイ(3936・東証マザーズ)

 7月後半から始まったグローバルウェイ劇場。7月21日の1,103円から始まり、8月12日に付けた高値は8,390円。ただ、翌13日からドテン売り気配となり、2日連続ストップ安売り気配に。

 17日は値幅制限が下限のみ4倍適用となり、この日の安値は3,265円。高値から安値まで、3営業日で半値以下に。壮絶な上げの反動は壮絶な下げで、「これでひと相場終わったか?」と思われていましたが…。

 グローバルウェイ劇場“シーズン2”開幕!そのきっかけは26日に発表された1対5の株式分割でした。5分割発表によるストップ高で再点火した直後(27日引け後)、今度は通期予想の上方修正(保有するベンチャー企業の売却による特別利益約4,900万円計上)を発表。

 さらに、タイミング良く東証が信用規制を解除したため、燃え始めた火に燃料が複数投下され、“シーズン1”を超えるほどの盛り上がりに発展中の“シーズン2”。

3 カーディナル(7855・ジャスダック)

 MBO(経営陣が参加する買収)の発表で値上がり率上位にランクイン。同社は5日、MBOを実施し、株式を非公開化すると発表しました。TOBでの1株当たり買付価格は851円と、5日終値573円を約5割上回る水準に設定されていました。買付予定数には上限設定が付いていません。

 このパターンはTOB価格にサヤ寄せするわけですが、8月末終値は922円とTOB価格を大きく上回っています。これはなぜか? おそらく、プレミアムが約5割付いたといっても、それでもTOB価格を安いと感じている投資家が多いからでしょう。

 TOB価格でもPBR(株価純資産倍率)は0.8倍未満ですので、「最低でもPBR1倍で設定しないとTOBに応じない株主が多く、MBO価格の引き上げもあり得る」という思惑が働いていそうです。

4 FRONTEO(2158・東証マザーズ)

 決算発表通過で売り叩かれるマザーズ銘柄が相次ぐなか、決算サプライズで高値奪回を果たす希少な存在に。結果、流動性の面でもマザーズ上位に浮上しています。16日の第1四半期決算発表のタイミングで、通期予想を大幅増額。営業利益予想は従来の6億円から倍増の12億円に。

 リーガルテックAI事業でAIレビューツールの「KIBIT Automator」が日本・アジアで大型案件を受注したようです。

 決算発表後の上昇で7月に付けた最高値をブレイクし、数少ないモメンタム銘柄としてトレンドフォローの短期資金も殺到。決算で株価が上向く過程で、京大との共同研究開始や韓国子会社でのメール&チャット監査システムの提供開始といったリリースが随所に出ました。

 強い材料かどうかは抜きにして、株価が強い時期に刺激材料が投入されるサイクルは6月の急騰時に似ていました。

5 トレンダーズ(6069・東証マザーズ)

 決算サプライズでド派手な上昇に。13日に発表した第1四半期決算は、売上高が前年同期比2.7倍、営業利益が同2.2倍の2億円で着地しました。美容向けメディアやSNSなどを活用したデジタルマーケティング事業が絶好調のようで、前期比の変化率にインパクトがありました。

 通期予想は据え置いていますが、売上高の通期予想に対する進ちょく率は第1四半期にして4割強、営業利益は5割強。これから上方修正が出るのは確実と市場は見ているようですね。

 そもそも期待値が低かった(決算発表直前の信用買い残も過去1年で最低水準)こともあり、決算発表翌日から2日連続ストップ高買い気配に。