中国の主要な太陽電池企業の株価は、この2年で8倍に

 太陽電池のセルとモジュールの生産で圧倒的なシェアを誇る中国における、関連企業の株価を確認します。IEAの統計で太陽電池セルとモジュールの生産で上位にランクイン(2019年)した中国企業6社です。

図:中国の太陽電池関連企業の株価 ※単位はジンコ ソーラーのみドルそれ以外は人民元

出所:ブルームバーグのデータより筆者作成

 2020年3月に新型コロナが「パンデミック(世界的な感染拡大)」と宣言され、本格的にコロナ禍入りして以降、世界では「脱炭素」ブームにさらに火が付き、コロナ前以上に再生可能エネルギーに目が向き始めました。こうした流れを追い風に、上昇が目立った銘柄の株価は、昨年春に比べておよそ8倍になっています。

 大きな上昇劇を演じる前の株価の推移を確認すると、2012年がおおむね底だったことが伺えます。同時に、以下の中国国内の太陽電池の設置量(発電量ベース)の推移を確認すると、以下のとおり2012年ごろから、目立って、上昇し始めたことがわかります。

図:中国国内の太陽電池の設置量(発電量ベース)の推移 単位:ギガワット

出所:IEAのデータをもとに筆者作成

 2012年ごろから、中国国内で太陽電池への関心が急速に高まったことが伺えます。先述の関連企業の株価の推移も、こうした中国国内の機運と歩調を合わせていると言えそうです。

 二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量が突出して多い中国において、それを相殺するだけの再生可能エネルギーの生産への取り組みが、このころから本格化し、それにともない、これらの企業の収益向上と社会的な地位向上が同時に起きた可能性があります。

「脱炭素」という、壮大な地球規模のブームは、もはやとめられないでしょう。先月10日、IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)は初めて、「地球温暖化の原因は人間の活動」と断定しました。過去、それに科学的根拠はないとした米国の大統領がいましたが、彼の発言が真っ向から否定されたわけです。

「脱炭素」→「再生可能エネルギー開発」の流れは、今後ますます加速し、そしてますます、こうした太陽電池関連企業に強い関心が向けられるようになると考えられます。そしてこれらの企業の株価はさらに、強気になるかもしれません。

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