太陽電池のセル、モジュール生産の70%超は中国
太陽電池のセルやモジュールの生産は、中国が圧倒的なシェアを占めています。先述のとおり、モジュールとは、太陽電池の最小単位のセルを組み合わせた1枚のパネルのことで、流通の基本単位です。
以下より、太陽電池の生産工程を確認します。素材が多結晶シリコンである点は半導体と同じです。珪石(SiO2)を還元・精製して金属シリコンを作り、それを還元して多結晶シリコンを作ります。
図:太陽電池の生産工程
こうした工程には大量の電力が必要であるため、現在シリコンの生産は比較的電力が安価な地域で行われる傾向があります。
図:世界のシリコン(フェロシリコン・金属シリコン)生産量(2019年) 単位:純分千トン
上図のとおり、シリコンの生産は中国が群を抜いています。このため、以下のとおり、太陽電池の生産に必要な多結晶シリコンの生産は、中国がダントツです。また、それをもとにして作る太陽電池用の単・多結晶シリコンウェハの生産シェアも同様です。
図:多結晶シリコンと太陽電池用の単・多結晶シリコンウェハ生産シェア(2019年)
以下は、太陽電池のセルとモジュールの生産シェアです。
図:太陽電池のセルとモジュールの生産シェア(2019年)
太陽電池のセルの76%、モジュールの71%を中国が製造しています(2019年)。環境先進地域という印象が強い欧州は、それぞれ0.2%、2%、環境問題への取り組みで主導権を握りたい日本は1%、1%です(いずれも発電量ベース)。
中国は太陽電池大国と言ってもよいでしょう。そして、中国を太陽電池大国たらしめているのが、同国の太陽電池関連企業です。