脱炭素のムード加速させる「太陽電池の量産」がスタート
9月2日、コストを半減させた太陽電池の量産が始まると、主要メディアが報じました。「ペロブスカイト型」と呼ばれるもので、従来のシリコン型や化合物型に比べて、価格の面で優位とされています。
この量産が建物の外壁向けで始まるのは、「ペロブスカイト型」が、容易に折り曲げられるためです。今のところ、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率や、耐久性はシリコン型に劣るものの、特にコスト面が普及への大きなハードルの一つとなっていた太陽電池の建物への設置における分野においては、ペロブスカイト型の量産開始は朗報と言えるでしょう。
地球的規模の不可逆的テーマとなった「脱炭素」が、より大きく、前進する可能性が高まりました。
図:太陽電池における諸分野
太陽電池は、蓄電池と異なり、電力を保存することができません。光のエネルギーを電力に変換する装置です。以下の図内の電極には、銀などの電気を通しやすい金属が使われています。以下はシリコン系の例ですが、「ペロブスカイト型」の電極も同様です。
図:太陽電池セル(シリコン系)の断面図(イメージ)
太陽光が太陽電池にあたると、電子(-)と正孔(+)が発生し、それぞれが反対の方向に移動します(正孔(+)はp型シリコン側へ、電子(-)はn型シリコンへ)。この移動の際、電極に電力を消費する負荷をつなぐと電流が発生します。
また、以下は太陽電池のセル、モジュール、アレイの区別です。本文中に出てくる用語をわかりやすくするため、参考として掲載しました。