10月の株主優待銘柄

 10月の優待株は権利付き最終日が10月27日(水)、権利落ち日が10月28日(木)で、翌29日(金)が権利確定日になります。月末の30日、31日が土日のため、少し早い権利取得になるので注意しましょう。

 10月27日(水)の取引終了までに優待株を取得して、翌28日(木)まで保有し続けることが優待獲得の条件になります。

 銘柄数が394※もあった9月の優待秋祭りも終わり、10月の優待株は29銘柄※と1年のうちでも4月に次ぐ少なさです。旅行割引券、ギフト券、お得な自社製品やREIT(リート:上場不動産投資信託)の宿泊割引の他、クオカードの比率が高くなっています。

 ユニークな暗号資産優待や、ランキングには入っていませんが名古屋証券取引所に上場するアートグリーンの胡蝶蘭といった珍しい優待もあります。

 その一方、これまで10月の人気優待株だったパーク24がコロナ禍による業績不振で昨年に続き今年も優待を中止するなど、順位に若干の変動が見られます。
※いずれも楽天証券 株主優待検索より

 人気第1位となったのは、旅行代理店のエイチ・アイ・エス。4月末、10月末の年2回、100株保有でHIS株主優待券各2,000円分、ハウステンボス入場割引券など各500円分が贈られます。

 HIS株主優待券は、1回1万2,000円以上の旅行商品につき、1,000円分の優待券を利用できます。

 コロナ禍が収束せず同社の2021年10月期の中間決算は過去最大の232億円の最終赤字となり、株価も2,000円台からなかなか浮上しませんが、優待銘柄としての人気は根強いようです。

 第2位には「業務スーパー」の神戸物産が順位を上げてランクインしました。10月末の株主に対して年1回、100株保有で1,000円分のJCBギフトカードが贈呈されます。3年以上継続保有すると2,000円分も上乗せされます。

 同社は業績好調で2017年以降、株価が15倍高したテンバガー(株価10倍)株としても有名。長期保有して大きな値上がり益も狙える優待株としては最適の投資対象といえるでしょう。

 第3位は不動産REIT、投資法人みらい。コロナ禍で打撃を受けたホテル業界を支援する制度として、4月末、10月末の投資主に、ホテルチェーンの宿泊割引優待を提供しています。

 対象ホテルは、コンフォートブランドで全国展開するチョイスホテルズやホテルウィングインターナショナル、東海・北陸地方などに展開するグリーンズホテルズです。

 第4位はインターネットを通じた仕事紹介を行うギグワークス。4月末、10月末の年2回、100株以上の保有で一律に、こども商品券1,000円分、仮想通貨ビットコイン1,000円分、公益財団法人等への寄付1,000円分の3つから1つを選べます。

 同社は2017年から仮想通貨のマイニング(採掘)事業を行っているため、他ではあまり例のないビットコインが優待品になっています。増収増益が続く成長企業なので、株価の上昇も楽しみです。

 第5位はeラーニング事業を行うクシム。4月末、10月末の年2回、100株保有で各500円分のクオカードが贈呈される他、昨年10月末以降は同社が業務提携する上場企業CAICA発行の暗号資産CAICAコインを10コイン分もらえるようになりました。

 同コインはCAICAが運営する暗号資産取引所などで売買できます。

 第6位は総菜メーカー、ロック・フィールド。年2回優待ですが、10月末株主には100株以上保有で一律1,000円分のおそうざい券が贈呈されます。

 4月末は保有株数200株で1,000円分、5年以上継続保有で1,000円分追加となり、100株保有でもらえる10月のほうが手がけやすくなっています。

 第7位は食品メーカー、正栄食品工業の自社製品等優待です。

 4月末、10月末の年2回、100株以上保有で一律に、アーモンドやチョコクッキーなどお得感満点の同社商品詰め合わせが贈られるほか、500株以上保有すると通販カタログ掲載商品の50%割引券も株数に応じてもらえます。

 第8位は住宅建設会社の日本ハウスホールディングスのカレーギフト優待です。

 1,000株以上(約40万円の投資金額)の保有が取得条件で、10月末株主に対し年1回、同社のホテル運営子会社が販売するビーフカレーやスープなど4点セットが贈呈されます。