今週の予想
米株堅調ならば、日経平均は2万7,500~2万8,200円の中のもみ合い
先週、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長は、年内の量的緩和縮小開始の可能性を表明したものの、早期利上げには慎重な姿勢を強調しました。
米経済が正常化へ向かっているならば、長期金利は上昇するところですが、逆にドルが売られました。
つまり、米金利は経済正常化に対して懐疑的になっているといえます。
長期金利が上昇基調となれば円安傾向となり、米株高、円安で日経平均は戻りを試すことになります。
しかし当面は、国内の新型コロナウイルスの感染者数が、改めて拡大傾向を示せば投資家心理を冷やすことになります。
8月中旬以降の日経平均株価の動きは、20日(金)に2万6,954円の安値をつけ、8月16日の2月の年初来高値の6カ月期日が重なり、需給悪化から見切り売りが加速しました。
しかし、米国の堅調さもあって翌週には上昇に転じて25日(水)には2万7,897円まで戻しました。
週足チャートは、下値の下限にあった52週移動平均線に差し掛かって切り返し、悪条件が重なった20日の安値が、当面の下値になってもおかしくありません。
とはいっても日足チャートは、いったん25日移動平均線(27日時点2万7,666円)をいったんクリアしたものの、27日の終値は2万7,641円と微妙な位置にあります。
また、間もなくデットクロスする75日移動平均線(2万8,296円)と200日移動平均線(2万8,199円)のまだ下にあります。
2月から続くジリ安基調を脱するには、この75日移動平均線、200日移動平均線の両移動平均線を突破する必要があります。
上述したように、日足とともに週足では、13週線、26週線が上値抵抗として意識されるため、リバウンド機運は継続しづらく、米国金融の行方、アフガニスタン情勢への懸念、国内では自民党総裁選の日程が決まったことで、9月29日の投開票までは、政局報道に影響を受けやすいといえます。