初心者向けの3つの高配当株

 以上を考慮し、私は初心者が最初に買うのに相応しいと考える高配当株は、大型・ディフェンシブが良いと考えます。具体的には以下です。

投資の参考銘柄:高配当利回り株3選:2021年8月24日時点

コード 銘柄名 株価
:円
配当
利回り
PER
:倍
PBR
:倍
1株
当たり
配当金
:円
8306 三菱UFJ FG  591.4 4.6% 8.94 0.43 27
9432 日本電信電話 2,901.5 3.8% 9.61 1.35 110
9433 KDDI 3,404.0 3.7% 11.63 1.61 125
出所:配当利回りは1株当たり配当金(会社予想)を8月24日株価で割って算出。各社決算短信より楽天証券経済研究所が作成

 上記3社を評価するポイントは以下の通り。

三菱UFJ FG

【1】安定高収益

 金利が下がると銀行は収益を上げられない、というイメージがあり、リーマンショック後、日米で長期金利が低下する間、長期にわたり株価は低迷。

 ところがその間、連結純利益で8,000億~1兆円の高収益を安定的に上げてきた。コロナ禍の今期(2022年3月期)も、連結純利益8,500億円の目標。第1四半期は3,830億円(通期目標の約4割)で好調。信用コストが想定よりも小。

【2】成長性

 国内商業銀行は低迷が続くが、海外収益の拡大が続く。米モルガンスタンレーに出資している他、タイのアユタヤ銀行、インドネシアのバンクダナモンを子会社に持つ。ユニーサルバンク経営(投資銀行業務・証券・信託・リース・カード・消費者金融などへの多角化)でも収益を拡大。

【3】財務優良

 有価証券に3兆7,323億円の含み益がある(2021年6月末現在)。不良債権比率低く、財務優良。

【4】デジタル化

 銀行のデジタル化が進むと、既存のメガバンク店舗は不要になると見られ株価が低迷。実際、三菱UFJは店舗削減を進めている。デジタライゼーションでコストカットを進め、デジタル銀行としての成長を志向している。株式市場で、三菱UFJはデジタライゼーションの負け組と見られているが、実際には勝ち組と見ている。

【5】増配 

 三菱UFJは、これまで増配・自社株買いを積極的に行ってきた。これからも、増配・自社株買いをやっていくと予想。

日本電信電話(NTT)

【1】通信インフラを支配

 世界中のネット成長企業は、日本でビジネスを展開するにはNTTの通信網を使う。不可欠なインフラを支配。NTTは、その通信網を安価に開放する義務があるので、独占で利益をどんどん拡大していくことはできない。その代わり、世界不況にも強く安定的に収益を上げていくことができると期待される。

【2】子会社での利益拡大

 NTTドコモを完全子会社としたことで、貢献利益が大きくなる。NTTデータなどの成長子会社もある。

KDDI

【1】通信事業で安定高収益・ライフデザイン事業で成長

 通信事業は高収益だが利益を成長させるのは難しくなってきた。通信を核にした、コマース・金融・エネルギー・エンターテインメント・教育等のライフデザイン事業で収益を成長させている。

【2】連続増配・株主優待

 今期(2022年3月期)、20期連続の増配を予定。3月末の株主に贈られるカタログギフト
も人気。

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