はじめは、大型・ディフェンシブ株から選ぶ

 多数銘柄に分散投資ができず、1~2銘柄しか買うことができないないならば、最初はどんな銘柄に投資したら良いでしょう? 私は、3つ条件を考えました。

【1】大型株:財務内容が良好で、収益基盤が堅いと考える大型株
【2】ディフェンシブ:景気変動の影響があまり大きくない業態
【3】高配当利回り:予想配当利回りが3.5%以上


 多数の銘柄に分散投資し、かつ時間分散しながら追加投資していくことができることが理想的なのですが、それができないならば、最初は大型・ディフェンシブ・高配当利回り株から投資したら良いと思います。

 配当利回りは確定利回りではなく、業績や財務が悪化したら減配になり、株価が下がるリスクもあります。なるべく減配リスクの低い銘柄に長期投資していきたいと思います。その候補を選ぶために重要なのが「大型・ディフェンシブ」です。

 小型株は、成長性がないと衰退してしまうリスクがあります。ところが、小型成長株は好人気で株価が高くなっていて、配当利回りは低いのが普通です。なかなか、成長性の高い高配当株を小型株から見つけることはできません。

 大型株には、成長性が低くても、中期的に安定収益を確保できる会社もあります。成長性が高くないと株式市場で人気がつかないので、株価評価が高くなりません。結果的に、配当利回りの高い銘柄が多くなります。

 ディフェンシブという条件は重要です。景気変動による業績変動が激しいと、減配になるリスクが高いからです。

 たとえば、日本郵船(9101)を考えてください。8月24日株価7,820円で、予想配当利回りは8.95%です(今期1株当たり予想配当金700円を株価で割って算出)。業績好調な高配当株として、トレーディングベースで買っていく価値があると判断しています。

 ただし、初心者が最初に買う高配当株としては不向きと思います。なぜならば、海運はディフェンシブ業種でないからです。

 世界景気の変動の影響を大きく受け、良い時と悪い時の業績の落差が極めて大きいからです。今は、業績がすばらしく良く、配当も大きいですが、将来海運不況に逆戻りして減配になるリスクもないとは言えません。