2:おおむね20%以上のリターンを積み上げていて、次に投資したいファンドがある

 これは、積み立てではなく、主に一括購入で、アクティブファンドを購入しているケースを想定しています。特定の業種やテーマに沿った銘柄を組み入れる、「テーマ型」と呼ばれる投資信託が一例です。

 こうした投資信託では、市場の潮目が変化するタイミングを見極めて、適宜利益確定をしていくことも重要です。

 ただし、利益が出ているからといってすぐに売却に走るのではなく、その売却益を使って、次にどの投資信託(または他の金融商品)に投資するか、事前に考えておきましょう。

 せっかく利益確定をしても、売却益相当分が投資機会を失われたままでいるというのは、長期投資を続ける上で避けたいところです。

インデックスファンドの積立投資では、小刻みに利益確定は避けるべき

 上記の2点いずれにも当てはまらない場合、特に、インデックスファンドで積み立てを実践している場合は、小刻みに利益確定をすることはおすすめしません。

 というのも、インデックス=市場全体への投資は、原則として「世界経済は長い目で見れば拡大していく」という前提に基づいているからです。

 利益確定を行うことにより、途中で事実上「離脱」してしまうと、その資金はやはり投資機会を奪われた状態になってしまいます。インデックス投資の場合は、タイミング投資に走るのではなく、市場に「居続ける」ことが何よりも重要です。

 なお、世界経済拡大の恩恵を着実に受けるためには、特定の地域だけではなく、世界全体に目を向ける必要があります。株式市場が好況なときというのは、どうしても目先の高いリターンを追い求めて、こうした原理原則を忘れてしまいがちになります。

 集中投資も一つの投資方法ではありますが、長期分散投資のためにインデックスファンドを活用するなら、特定の地域や業種に偏らせるのではなく、「全世界株式インデックス」をポートフォリオの土台にするとよいでしょう。

世界の実質GDPの推移

注:1980年を100として計算
出所:IMF(国際通貨基金)データを基に楽天証券経済研究所作成

 世界の経済成長率は短期で見ると大きく上下していますが、長期で見ると、GDP(国内総生産)の累積成長率に与える影響はさほど大きくないことが分かります。だからこそ、市場に「居続ける」ことが大切です。